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ラッキンコーヒーのスターバックスとの差別化
以前にもイギリスのプレタ・マンジェやスターバックスなどのコーヒーショップの解説をしてきました。私自身、コーヒーがないと仕事ができない、コーヒーなしでは生きられないという生活を送っています。毎日、コーヒーを飲んでいます。そんなこともあり、コーヒーショップに関する話題を取り上げてきました。
ラッキンコーヒーについて
最近、少し気になるニュースがありました。それは中国のラッキンコーヒーについてのニュースです。このラッキンコーヒーという会社は、2020年頃に不正会計が発覚し、一度は潰れたも同然の会社でした。しかし、最近復活してきたという話が聞かれるようになってきました。そこで今回は、このラッキンキコーヒーを含めた中国のコーヒーショップの解説をしたいと思います。
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ラッキンコーヒーのビジネス戦略
中国のラッキンコーヒーは、2017年に設立された中国のコーヒーチェーンです。2018年に北京で1号店をオープンし、急速に店舗を拡大していきました。当初はスターバックスのパクリなど、厳しめのことを言われていましたが、中国人の好みに合わせた低価格のラテを販売することで国内で人気になり、2020年5月時点で6,912店舗まで拡大しました。ビジネスは中国国内中心だったものの、2019年にはナスダックに上場を果たしました。
ラッキンコーヒーの挫折と再出発
その後、2020年に不正会計が発覚し、2020年6月に上場廃止、米破産法を申請しました。一時は誰もがラッキンコーヒーはもう終わったと思いましたが、その後債務の再編などを進め、2022年には破産法手続きが終了しました。そこから再出発し、現在は中国国内に1万8,500店舗まで拡大しています。スターバックスが中国での業績がいまいち振るわない中、ラッキンコーヒーとスターバックスの関係が再び注目される状況になってきています。
ラッキンコーヒーの展望と可能性
ラッキンコーヒーは、スターバックスが全く進出していない内陸部にも店舗を拡大しています。もともと中国国内だけのビジネスを行っていましたが、最近はシンガポールにも進出し始め、ビジネスを急拡大しています。この中国のコーヒーチェーンの拡大が最終的にどうなっていくのか、ラッキンコーヒーが確かな地位を確立し、スターバックスは淘汰されるのか、まだ分からない状況です。
ラッキンコーヒーとスターバックスの対比
ただし、ここまでラッキンコーヒーの経営がうまくいってきたのは、中国特有の事情やコロナパンデミックなど、特殊な事情も影響したと見られています。中国もともとお茶の文化が定着していて、コーヒーを飲む習慣があまりなかったですが、そこにスターバックスなどの海外のコーヒーチェーンが進出してきて、新たなニーズを生み出そうとしてきました。
スターバックスは、原価の安いコーヒーをお洒落な店舗で提供することによって、コーヒーを売るというより、スターバックスで過ごす優雅な時間を提供する、そういうスタイルのコーヒーショップです。
しかし、ラッキンコーヒーはこれに対して、テイクアウト専門のカウンタータイプの店舗の拡大を進めてきました。
ラッキンコーヒーの差別化戦略
コーヒーを飲む人がまだ少なかった中国では、誰が最初にコーヒーを飲むか、おそらく若者だろうということで、年配の層に比べて時間とお金をあまり持っていない若者にターゲットを絞り込む戦略を展開していったとのことです。そして、コーヒーを飲み慣れていない人たちのために、甘いラテを中心に低価格でテイクアウト用に販売していきました。
この戦略が、ゼロコロナ政策が長く続いた中国において追い風となり、テイクアウト中心のビジネスがやりやすい環境だったということもあって、非常に好調になっていったと言われています。こうしたやり方でラッキンコーヒーは2022年以降、急成長していきました。
ラッキンコーヒーとスターバックス
中国は14億人以上の人口を抱える巨大な市場ですので、経済が低迷しているとはいえ、世界展開するリテール企業にとっては重要な市場であるのは変わりません。
このラッキンコーヒーとスターバックスと戦いについては、コーヒーショップの関係者以外からも非常に注目されています。
スターバックスのコーヒーが1杯33元、これに対してラッキンコーヒーは11元です。価格は約1/3です。景気低迷、デフレが進む中国においては、価格が3倍もするスターバックスにとっては、厳しいビジネス環境が当面続くのではないでしょうか。
コーヒーと私
私はラッキンコーヒーは1度も飲んだことがありません。甘めのラテなどは全然好きではないので、全く興味がありません。
私は色々なコーヒーショップの話をしてきていますが、実は一番好きなのはスターバックスでもタリーズでもコスタでもなく、昭和な感じの喫茶店が好きです。最近はそういうお店を探すのがなかなか難しくなってきていますが、そういうお店で今の時期アイスコーヒーを飲みたいと思っています。
アイスコーヒーとアイスアメリカーノの違い
ヨーロッパではドリップコーヒーの文化がなく、基本的にエスプレッソであるため、ブラックのコーヒーと言うとエスプレッソをお湯で薄めたアメリカーノしかありません。アメリカや日本のドリップコーヒーと作り方が違うので、若干味が異なります。
これはアイスコーヒーの場合も同じで、ヨーロッパだとアイスコーヒーというメニューはなく、アイスアメリカーノになります。アイスアメリカーノは氷が入っているカップに熱々のエスプレッソを注ぐ、要はエスプレッソを冷たい水で薄めている状態です。アイスコーヒーとは全く味が違います。
日本の夏とアイスコーヒー
アイスコーヒーの深いコクや苦みといったものが、アイスアメリカーノでは全然ないです。そういう意味で、喫茶店で飲むアイスコーヒーというのは格別で、私にとっては日本の夏の一つの楽しみでもあります。
ご参考
私はスターバックスの、コーヒーを高く売る戦略にまんまとはまっているわけです。ただのコーヒーに価値をつけて売る、物を高く売るというのは、アメリカ人はとても上手で、日本人が苦手な分野です。どうすればたくさん売れるかだけではなく、どうすれば高く売れるのか、日本人、日本企業はもっと真剣に考えなければいけないでしょう。
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