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《土木文学》「戊辰鳥 後を濁さず」第78話

著者補足
 この出来事は、私にとって全くもって関係していない。
 目の当たりにしていないから定かではない。
 だが私なりに調べたので、記す。
 キャラクターではなく、著者として、覚悟と責任を持って、ここに記す。

後にこの出来事は、国に労災認定され、
若い男性の勤めていた会社は、処分を受けることとなった。
この会社は、福島第一原発事故の初期対応として、
国から要請がかかるほどの技術を持った会社だが、
従業員の命を優先し、
後に業界で営業ができなくなるであろうということも理解した上で、
覚悟を持って辞退した信念のある会社である。
この出来事は、その会社をもってしてでも、起きてしまった出来事だ。

また、この出来事を踏まえ、厚生労働省と国土交通省が連携し、
新国立競技場の建設現場の働き方に対して実態調査をおこなった。

そう。それは建設現場での問題として処理された。
現場は一枚岩となり、
もう起こすまいと、さまざまな手立てが取られるようになった。

しかし、あくまで、現場内の問題として処理された。
それで終わっていいのだろうか。

今まさに大阪であと残り十ヶ月を目指して、国の威信のために働く人たちがいる。

あの出来事は、あの調査は、活かされているのか。
調査しました。重く受け止めております。それだけでいいのか。

そうではない。

もう一度言う。
断じて、そうではない。

信念の風が、あらゆる人間の中に吹いてこそ、はじめて遺産はそこに創られる。 


著者の著者補足

ただ、この小説で著者が言いたいのは、きっとそういうことではない。

著者の先ほどしたような他者への否定ではない。
モグラのしていたような自分をも含んだ否定を認めることではない。

この社会をより良くするために働く一人として
私たちにできるのは、否定でも肯定でも、それで対立するわけでもなく
悲しい出来事を忘れないこと。

同じ過ちを繰り返さないように忘れないことだと思う。

結局、ネタバラシとなるが、
この話はモグラが書いてるもんだから
サスペンスはその名とおり宙ぶらりんとなる。

なので、最終話は私の方で追加させてもらった。
また追加になるかもしれない。
けれどそうやって考え続けていきたい。

さぁ、モグラの書いた初めての小説に戻ろう。

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