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[詩]シリウス


びくともしない大岩が私の前にドスンと落ちた
曖昧な感情に押しつぶされるように
未来におやすみをいえたかな?

予定は立てていたのに遮る雨の壁に阻まれて
一度でも悪魔の囁きにのったから?
そんな聖人にはなれないよ

言われたい
誰よりも大切だって
言われたい
寂しい夜はそばにいるよって

くだらないくらいって愛して欲しい
猫も鳴き止むようなこんな夜に
今すぐに会いにきてよね
気がすむまでキスをして
シリウスが吠えるような夜に乾杯

どんなに位置情報送っても迎えに来ないのね
昨日飲んだオレンジジュースの後味
呟くほどに苦くなって酸化する

言われたい
綺麗な髪だねって
言われたい
苦しい夜は抱きしめてるよって

まだ誰も感じたことのない感情を
猫も鳴き止むようなこんな夜に
瞬きなんて許さないよ
その目に焼き付けてね
シリウスが吠えるような夜に乾杯

会うたびに変わっていく癖が
私を不安に堕としていく
はやく未来におはよう言わなきゃ

くだらないくらいって愛さないで
猫も泣き病むようなこんな夜に
今すぐにサヨナラを言い
気がすんだら消えて欲しい
シリウスが吠えるような夜に乾杯

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