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[詩]七夜月

君が六等星になっても僕は愛し続ける
何億光年の距離が離れても必ず行くから
七夜月に君を想う

生真面目な君の姿左目だけで覗いてた
不意に周波数が交わるような
パープの音色に唄を歌う

眺めの空に手を翳して
幸せな果実を育てよう

今宵の月は綺麗ですねと
少し小洒落た言葉で愛を伝え
文披月の夜に短冊に願ったことを
現実にするために

孵化した僕らの愛はプラチナ色の宝石で
怪鳥に突然攫われたような
スリリングな日常を描く

東雲にたなびく靄
運命が崩れる音がした

愛してると抱き合って終わる
怠惰で情熱的な一日を過ごして
愛逢月だなんてよく言ったものだと
唇の温度を確かめる

始まったばかりだったのに
天が僕らを東西に割って
天際のような日に天災が降り
催涙雨が空を覆った

始まりが再開だよと

七夜月に君と逢うたびに
朝まだきまで愛を叫んでいる
ベガとアルタイルの間にはボルドー
クチナシの花が咲く

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