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[詩]unumbrella


愛してるよだなんて言えたなら
それはそれでよかったんじゃない?
僕の頭上は土砂降りだよ
愛してるよと傘をさしておくれ

駄菓子屋の角を曲がったら
赤い目をした君がいた
リプトン片手にどこを見てるの?

遠くにはあいつの影がある
君が恋する北風は
黒い傘をさして駅へと向かって

雲に隠した本心は僕には見えない
不安定な雲行き

愛してるよだなんて言えたなら
それは今君にかける言葉じゃない
僕は今がチャンスと思って
愛してるよと傘を君にさすね

傘も刺さずに何処にいくの?
僕の傘に入らない?
浮ついた僕は君に欲を降らした

傷ついた君に駆け寄る僕
僕はまるで梅雨だね
蒸し暑く鬱陶しい雨のように

雲に隠したはずの僕の本心はきっと
見透かされている

あいつなんかより僕は優しいよ
自己満足を君にぶつけてもいまさら
心模様は土砂降りだとしても
君の心に虹をかけてみせるから

触れた熱が暖めるような
そんなものが欲しくない?

愛してるよだなんて言えたなら

運命的な演出でテコ入れして
愛を君の心に降らしてゲリラ豪雨
幸せな色の雨だって思うから
そして2人で傘を刺して歩こう

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