マジでどうでも良い事つらつら14

■バンドマン、一言多い■

長い人生なのだから色々な人間と出会う事があるが、この世の中にはムカつくヤツがまぁ多いこと。
電車の中で足を踏まれたとか、ぶつかられたのに謝罪が無いといった小さな事から、よくぞ今までそうやって生きてこれたもんだと感心するほど他人の神経を逆撫でするアホもいる。
筆者自身あまり人の事をとやかく言えた義理ではないのだが、
これでも精一杯他人様に迷惑をかけないように生きているよう心掛けているし、特に見ず知らずの方や大して仲が深まっているわけでもない知人に対して気分を害するような言動をとるなど、よっぽどの事がなければ実行しない。

人に好かれるタイプではないにせよ、少なくとも何もされていない相手を無意識に傷付けるような事は極力しないようにデリカシーを持って生きているつもりだ。
反対にデリカシーのカケラもない、全く必要ない余計な事を言ってくる人間というのが私が最も嫌いな人種の一つなのだが、ヤツらはそもそもが一言多いのだ。
そういう人間に限って自分は口が悪いからなどと、さも自分の欠点を自覚しているかのような言い訳をする。女性だったら「私サバサバしてるからハッキリ言っちゃうんだよね」系女子の事だ。
そういった輩は、こんな事を言うと相手がどんな気持ちになるかを考える想像力が皆無なので、口が悪いのではなく頭が悪いだけなのだ。わざと言っているなら大したもんだ。

昔、知人の誕生日イベントに出演した際の打ち上げで、ほんの顔見知りであったオッサンにぶちギレた事があった。
私は他人にベタベタと体を触られるのがとにかく嫌いで、許容出来る相手は非常に限られている。
そのオッサン、会うのはたった二回目であるにも関わらず、
私のモヒカン刈りの剃りたてツルツル側頭部をペチンと触ったり、何度嫌がる素振りをしても肩に触れられたり肩を組まれたり、腕や背中をポンポンと頻繁に叩いてくる等、
あまりにもボディタッチがしつこかったため気安く触るなクソジジイ!と怒鳴ってしまったのだ。

いつでもぶん殴れるように臨戦態勢を取っていたのだが、誕生日だったその日の主役である知人にたしなめられた。
何があったかを聞いてくれたその知人に
「お前の気持ちはよくわかる。だけど自分は自分の仲間同士にケンカをして欲しくはない。なので、それならば怒る前に自分に一言相談して欲しかった」と、至極当然の事を言われて私は大いに反省した。

彼が誕生日であった事を踏まえて、私は空気を壊してはいけないと必死に我慢していた。
しかし、それで限界を迎えて感情を爆発させるよりは、オッサンと共通の知り合いであるその知人に一言腹が立っている旨を伝えてそのオッサンを諭してもらった方が、事を穏便に済ませる事が出来たはずだ。
確かにそうだ、誕生日を台無しにしてすまなかったと詫びをいれ、キレたオッサンにも謝罪をもらって私もタメ口で怒鳴った事を謝った。
これで一件落着かと思いきや、ケンカを仲裁してくれたのに彼は私にこんな事を言った。

「お前本当は良いヤツなんだからこんな事ぐらいで怒っちゃダメだ」

...こんな事だと?私に向かって「お前の気持ちはよくわかる」なんてお前は言っていなかったか?全くわかっておらんではないか、私にとっては決して「こんな事」などではない。
「本当は良いヤツなんだから」ってなんだ?お前が私の何を知っている。
私は筋の通らない事が嫌いなだけで良いヤツでも正義の味方でもなんでもない。
その後は怒る気力も失せたので何事もなく解散したが、私はその一言で、彼の事が大嫌いになった。

その後は彼とライブハウスで一緒になる度に、彼の言わなくても良い余計な一言が目立つようになった。悪い意味で距離が縮まってしまったのであろう。
一度楽屋で彼のバンドメンバー、彼を含めた全員と雑談していた時に、ドラマーが私の携帯電話にコーラをこぼしてしまった事がある。
知らぬ仲でもないし電話も別に壊れたわけではない。ドラマーの彼もちゃんと謝ってくれたし当然私は怒っていない。
「どうしてくれるんだ」とおどけてみたが、冗談だと笑って気にするなと言った次の瞬間、
「壊れてないんでしょ?じゃあ良いじゃん」
と後ろからまた余計な一言を繰り出してきたのは噂のソイツだ。
もちろんその通りなのだが、お前が言って良い事ではない。それならコーラでベッタベタになった私の携帯は、私ではなくお前が拭いてくれるのか?
今でも私は彼の事が大嫌いだし、必要最低限の会話しかしない。
どうせ余計な事を言われて腹が立つのが目に見えているからだ。

他人とのコミュニケーションの際に話術というものはとても大切になる。
しかし、本当に上手に話す人というのはただただ口数多く喋る事よりも敢えて黙る事が上手な人が多い。
落語家や漫才師の方達のように会話の中の間が重要になるのもそうであるし、
ただただ言葉の羅列を吐き出すだけなら幼稚園だって出来る。
必要ないところは退き、ここぞと言う時に最も適した一言を話すべきであると私は思う。
筆者自身、理路整然と話を進めて行く事を常に考えながら会話をするし文章を書くようにしている。不必要に誰かを傷付けたり怒らせたりするのはのぞむところではない。
不足の至るところばかりで申し訳ないと思ってはいるが、考えながらやるのとそうでないのとでは大違いだ。

身に覚えのある方はどうぞ気を付けていただきたい。
でないと筆者のような根に持つタイプの執念深い男にこんな風に書かれる事となる

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