【夜眠れない患者さんに、寄り添う】

わたしの名札が手に取られ、ふわりと宙に浮かぶ。

「おぼえられへん」

微かな声でそうささやきながらも
わたしの名前をフルネームで何度もくり返す。

かすれる声で、わすれまいと
一音一音発声しようとするAさん。

夜眠れなくて、ナースコールを30分おきにおす。
その行為だけをみると、忙しい業務の中でなら
苛立ってしまうこともあるかもしれない。

ただわたしは、そういう時こそ蔑ろにせず
向き合いたいと思うんだ。

その行動の意味を考えながら、言語、目や口の動き・表情、筆談、ジェスチャー、様々な方法を用いて介入していくことで、いくつかの理由が見えてくることがある。

理由の中心には、さみしさ、こわさ、不安という感情が渦巻いていることが多い。
だからこそ、そばで寄り添うことが大切なのかもしれない。

看護師としては未熟ではあるけれど。
日々、臨床で学ぶ最中の記録として綴ってみた。

看護っていいな。
最近の多忙な日々を送りながら
久しぶりにそう感じられたひと時でした。

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