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ちっぽけな力をかき集めたら

最近一気見した、大雪海のカイナと言うアニメ。

何と言えばいいのか、すごく琴線に触れた。涙が止まらなくて、現代社会で起こっている出来事について、色々なことを考えさせられた。

この記事は、多くの人にと言うよりも、今この瞬間この記事を必要としている、誰かひとりに届けばいいなと思って書いた。

例えば世界情勢。特にバルギアの一国一強体制。リリハの故郷である大雪海の一国、アトランドとの水の奪い合いの描写からは、現実世界で未だ終わらない、ロシアとウクライナの戦争を想起させた。


利益の為に仲間を裏切る

また、バルギアのボスである、提督(艦隊の最高指揮官)の邪知暴虐性からは、独裁国家?を想起させた。

例えば、北朝鮮とか。自分の利益の為なら、仲間を裏切ることも厭わない。アニメにおいて提督は、そんな人物像だと私は思う。

己の力であると言う勘違い

「力が大きくなりすぎると、本当はそうではないのに、それが自分の力によるものであると勘違いしてしまうようになることがある」と言うのも、アニメを見ていて感じた。

特に、提督が建設者(周囲からは「化け物」と恐れられている巨大物?)を操作して、自軍の艦隊をアトランドの土地に投げつけている箇所を見た時。私はそう感じた。

これは、オリノガ(アトランドの親衛隊長)が提督に対して、「武具に喰われている(?)」と言うような表現をされていたところから、そのように感じた。

また、バルギアの住民が口にしていた「様々な国からの寄せ集め」と言う言葉からは、世界で起きている移民や難民に関する、あらゆる問題を思い起こさせた。

文字が与える影響

大雪海のカイナの、重要なキーワードのひとつに「文字」があると、私は視聴していて感じた。特に、アニメの中で、看板爺から文字を教わったカイナが地図を読めたことが、彼らの物語を後押ししたことからも、そのように感じる。

言葉が通じない

とは言え、どの時代においても、言葉が通じない相手や、話し合いで解決できないと言う場面が一定数存在しているんだな、ということも感じた。

カイナがしきりに、「話せば分かり合えるかもしれない」と言っていたのに対して、リリハが「彼らは言葉が通じない相手なの」と一喝する場面を見た時。

争いは終わらない

結局、いつまで経っても、争いごとは終わらないんだなと。

私はなんだか、そんなふうに思ってしまった。諦念に至る、と言うやつか。

印象に残った台詞

第八話でリリハが口にした、

お互いの役に立つことを伝えあっていけば
皆でもっとよいくらしができるかもしれないのに

と言う言葉には、なんだか心をぐっと掴まれる感じがあって。思わずメモしてしまった。

思い描く理想に反した現実

大軌道樹には、豊富な水がある。知っている人が情報を周知して、全員がその存在を知って。それを探すために、互いに協力し合えたなら、きっと争いは起こらないのに。

しかし、リリハの信念に反して、アトランドとバルギアは、交戦状態に突入する。仕舞いには上述したような、己の力と勘違いした、建設者を操作する提督の暴走。

でもなんだろう。これが現実なんだなって、納得してしまう私が、どこかにいて。

結局、理想は幻でしかないんだなって。個人一人ができることなんて、ちっぽけなんだなって。

ちっぽけな力をかき集めたら

大事なのは、自分達が生きている、その現実と向き合っていくこと。どろどろしたその世界と、どう折り合いをつけて生きて行くのかということ、なのかなって。

一人ひとりの力はちっぽけかもしれないけれど、それを沢山かき集めていけば。いつかは誰かが思い描いている理想に、近づくことができるかもしれない。


そんなことを感じた。


大雪海のカイナを今のタイミングで見られたことは、今の私にとって、すごく意味があったことだと思う。


読んでくださってありがとうございます。


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