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できることからやってみる。「双子のライオン堂」挑戦の日々。/『めんどくさい本屋 100年先まで続ける道』竹田信弥

個人経営の好きな本屋を挙げるなら、双子のライオン堂(赤坂)、Title(荻窪)、青いカバ(駒込)、Readin’ Wririn’ BOOKSTORE(田原町)、、、挙げだすと止まらない!そして店の名前とセットで思い浮かべるのが、その店主の方々。メガネをかけていらっしゃる方が多い気がする。

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双子のライオン堂の店主、竹田さんとはお店に伺った際、何度もお喋りしているし、2年前フリーペーパーを作った際はコラムも書いていただいた。がしかし、どんな半生を過ごしてこられたかまでは知らなかったのである。

先月発売された『めんどくさい本屋 100年先まで続ける道』は、竹田さんが開店までの経緯や、複数の仕事を掛け持ちしつつお店を切り盛りする日常を綴った1冊。オンラインストアで早速注文し、フムフムと読む。読了するや否や、千代田線に飛び乗って赤坂に向かいたくなった!

本屋本は数あれど、書き手である竹田さんが業界どっぷり(取次や大型書店など出版業界出身)ではないため、開業ノウハウ本とは雰囲気が異なっている。希望通りの配本がされず、返本作業に忙殺される、みたいな話はナシ。100年本屋を続けることを目標にしつつ、その方法は既存のやり方に縛られない。例えば本屋を続けるために仕事を掛け持ちするし、営業日も絞る。読書会などのイベントでもその姿勢は同じで、いきなり多くのお客さんを呼ぼうとするのではなく、竹田さんやその友人の田中さん、その知り合いの輪からスタートして徐々に人を増やしていったようだ。

本屋にしても、イベントにしても始めるハードルを上げない、ということがカギなのだと思う。いきなり理想形を目指すのではなく、できることから、ゆるく始めていき、形にする、みたいな感じ。何か始めようとする時、「~ねばならない」と自分の中で勝手にハードルを上げてしまい、怖気づいて一歩踏み出せなかった経験は誰しもあると思う。けど、この本を読んだことで、小さくてもいいからできることから始めれば良いじゃない!と竹田さんに背中をポンと押してもらったような気分に。

ちなみにコロナの休業期間に入ってから、竹田さん主導(?)で「幻影書店街」というWEB上の商店街(リンク集)をオープンされていた。単なるリンクのまとめページならごまんとあるけれど、商店街という発想は無かった!双子のライオン堂はいつだって本屋好きをワクワクさせてくれる。


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