Y2003

文章修行中。

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    歌詞に影響を強く受けた短文形の表現を載せていきます。詩より主観的に歌詞より客観的なバランスを目指しています。

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    好きなカルチャーについて布教していきます。 参考になれば幸いです。

記事一覧

Don’t

しなびた駐車場に並んだ二人 夕景を終わらすことができなくて 泡が海に溶けていく様を 艶のある指を繋ぎ止めながら 頬に作られた陰影が ここにある時間のすべてに近しく …

Y2003
6日前

生なるものの真直ぐに触れて

白蛇を掬った手水の裾に 登っていく君の腕だけが見える 水は薄くはあるが透明にならず 牙と舌はかき混ぜられていく 僕はここにいたくない 瓦の強さは手遅れで 鮮度を失っ…

Y2003
6日前

メランコリック

重なった線からこぼれたもの どうしようもなく色が 取り返しのつかないほど色が 明日ゆっくり朝が来て 犬が優しく吠えたとしても 月が迎えに来ることは 模造品を並べた人…

Y2003
6日前

裸体

夜の底を見えないままに ギターのストロークを眺めて 緑の海月と共に街に潜ると 視界と皮膚が一つになって ここにいるようでいないような そんなふうに 何もいらないから …

Y2003
7日前
2

記憶

駄々をこねる日々を後にして 少しだけ新しい風を瞳に ただ一つ欲しかったものが あったということだけを忘れず これ以上月と太陽を 比べてしまうことはないから 歯切れの…

Y2003
12日前
1

Shoot the moon

横になった日々が白と揺れて 俗っぽい肉体からも花の香りが 外は暗闇だと知っていたのに 衛星に身を任すのは愚かしい 孤独の縁石が尻尾を振って 玄関からの影を浸している…

Y2003
13日前
1

無作為

詩や映画は君の頭上を通り過ぎて それは空気の裾も揺らしてくれず 何度もゴミみたいだって思いながら やっぱり僕にはそれしか残されてない 勘違いした池の蓮を 丁寧なドロ…

Y2003
2週間前
2

わがままで強情だけど 藍色の内視鏡に透けていくような そんな心があった 何もしてなくても どうしようもなくささくれ立って 針を飲み込んで暮らす日々でも 違う映画を隣…

Y2003
2週間前

剥製

記憶の中のカーテンが まだらに消える光を撫でていて 未来と過去が同じところにある 常套句のような羅列を 打ち込んでしまっても 君への心は目の前にあるから どこへ行っ…

Y2003
2週間前

メールが溜まるたび 外に出るようになって 枝分かれした駅と バランスが取れるから 寝込んだ側には 今度は良い熱が 君と暮らせる事 君と上手く話せる事 君が素敵な事 随筆…

Y2003
4週間前
1

黒と白

目覚めたばっかりに 嫌なことと好きだったことが コーヒーのように混ざらず ベランダからサンダルが消えて 紐が霞んで根を煽らなくなっても カレンダーを進めるように僕は …

Y2003
4週間前

May

愛おしいという形を 彫り込んでいっても 微熱で覚めてしまう気がして 何が透き通っていたのか 今となっては 弦の揺らぎに問いかけて 他のものにうつつを抜かして 今日も…

Y2003
4週間前

のっぺりとした紺色に 遠くのビルが重なっていって 最後には旋律に戻っていった 白とは形容できない光がぼやけるのは 訳もなく涙が川べりにあるせい ただ美しさに身惚れて…

Y2003
1か月前
3

寄りかかる先は 横たわるより早く 雨が晒されてる路地 すり抜けたものがきらきらと 葉を打つ音はつぶらな瞳 柔肌に導かれる静けさに 銀針の世界が鼻筋を撫で 小さな海が…

Y2003
1か月前

水面が静物だとしても 底が連想できたなら 少し波が立つだけで 怯えては強張ってしまうのを 弱さと言い換えたくはなくて 浮かんできた水紋をそのままに どれだけ思いやっ…

Y2003
1か月前

Emotion

成功したいって何? 社会的地位って何? マナーがなってるって何? 勉強できたらそれで何? そんなん並べて ガキじゃないんだから 駄々をこねる前に芸術ってどういうやつ…

Y2003
1か月前

Don’t

しなびた駐車場に並んだ二人
夕景を終わらすことができなくて
泡が海に溶けていく様を
艶のある指を繋ぎ止めながら

頬に作られた陰影が
ここにある時間のすべてに近しく
エンジンをかけずに遠のいていくまで
笑い合うことはできないけど

重みのあるものを数えていくと
車内には海月がゆらゆらと
海底にあるいつかの甘さが
針の傾きを少し滞らして

一瞬重なった陽と海が
鳥たちを街に送り出していく
どうか泣か

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生なるものの真直ぐに触れて

白蛇を掬った手水の裾に
登っていく君の腕だけが見える
水は薄くはあるが透明にならず
牙と舌はかき混ぜられていく

僕はここにいたくない
瓦の強さは手遅れで
鮮度を失った匂いは
とうに生きることに値しない

海の手前の開発都市
海月の列に埋もれた皮膚
泡のような触れ合いが
芸者の舞台をひっくり返して

性と生の背中合わせが
悔しそうに肩を叩くから
懐中時計の音を弦に
覆い被さる男がいても

涙を拾う

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メランコリック

重なった線からこぼれたもの
どうしようもなく色が
取り返しのつかないほど色が

明日ゆっくり朝が来て
犬が優しく吠えたとしても
月が迎えに来ることは

模造品を並べた人
真贋に興味がない人

夜を求める人
朝を省いただけの人

メランコリックな透明は
夜が背中をさする間に
瞼の上へ訪れた

裸体

夜の底を見えないままに
ギターのストロークを眺めて
緑の海月と共に街に潜ると
視界と皮膚が一つになって
ここにいるようでいないような
そんなふうに
何もいらないから
このまま終わりまで
ただそのままで

山裾の明かりが見えて
朝の足音がしたような
少しの不安が電車を走らせて
また電線は夜を崩していって
ずっとこれを繰り返して
誰も気づかなくても
頬をなぞって
きっと横になるまで

腕を抱いて
透け

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記憶

駄々をこねる日々を後にして
少しだけ新しい風を瞳に
ただ一つ欲しかったものが
あったということだけを忘れず
これ以上月と太陽を
比べてしまうことはないから

歯切れの悪い休日に
罪の意識をかき混ぜても
過去は綺麗に舗装されていく
狭い世界の小人の踊りが
見返すようにこちらを嘲笑っても
陽を届かせることはできるはずだから

幸せに出来る人が限られていても
偏屈な愛情を捨てはしないで
渦になった鈍色の

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Shoot the moon

横になった日々が白と揺れて
俗っぽい肉体からも花の香りが
外は暗闇だと知っていたのに
衛星に身を任すのは愚かしい

孤独の縁石が尻尾を振って
玄関からの影を浸している
空っぽならそっとしておいて
唇に甘美な唾を溜めながら

後ろ髪をドライヤーで移していくと
分かってくれない廃墟の愛が
季節の歩幅を語り始める
その行先はどこ?

知っていることだけを月へ向かわせて
またこの歌をピアノで聴かして

無作為

詩や映画は君の頭上を通り過ぎて
それは空気の裾も揺らしてくれず
何度もゴミみたいだって思いながら
やっぱり僕にはそれしか残されてない

勘違いした池の蓮を
丁寧なドローイングで留めて
庭園に棲む魔の物に
餌代を重ねていく時の流れが

僕の言葉は君のものと違う
僕の皮膚は君のものと違う
ほんの些細なささくれが
今となっては切実でも

何を見ても何も感じないから
諦めた午後の木漏れ日に
明日の波を冷凍

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わがままで強情だけど
藍色の内視鏡に透けていくような
そんな心があった

何もしてなくても
どうしようもなくささくれ立って
針を飲み込んで暮らす日々でも
違う映画を隣で見るよりはいい

早いようでいて
それ以外のことなんて
無いって言い切れる強さがあるかな
間違ったことを苦虫を潰しながら
笑うことはしたくないから
いつでも手を振る準備をするよ

去ってしまえば
全ては手に入る前になる
輪郭すら覚え

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剥製

記憶の中のカーテンが
まだらに消える光を撫でていて
未来と過去が同じところにある

常套句のような羅列を
打ち込んでしまっても
君への心は目の前にあるから

どこへ行ってもどんな風になっても
消えはしないものがあるとして
水滴を落としてしまっても
時間の重さは枷にはならないように

離れた灯台に立って
揺られている帆船を眺める
絹の指を絡めながら
まだここにいたいと思ってしまっても

遠回りしたか

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メールが溜まるたび
外に出るようになって
枝分かれした駅と
バランスが取れるから
寝込んだ側には
今度は良い熱が

君と暮らせる事
君と上手く話せる事
君が素敵な事
随筆のように包装できたら

雨が傘と虹を入れ替えて
腫れっぽい喉には以前が
タイマーを止め忘れて
過去へ少しだけ潜ったら

君がいない事
君と上手く話せない事
君が素敵だった事
忘れては行かないようで

川の底へ佇む白魚と
話せる人が

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黒と白

目覚めたばっかりに
嫌なことと好きだったことが
コーヒーのように混ざらず
ベランダからサンダルが消えて
紐が霞んで根を煽らなくなっても
カレンダーを進めるように僕は

黒が白を責めて
連なる背後を新聞が
離れた黄銅は特徴が見えないから
目を強く閉じる

本棚に沈む論理だけでは
誰彼も澱んでいってしまう
横たわる言葉の距離に
失望してしまわぬように
寝起きの頭で
愛の言葉を練習して

白が黒を脱色し

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May

愛おしいという形を
彫り込んでいっても
微熱で覚めてしまう気がして

何が透き通っていたのか
今となっては
弦の揺らぎに問いかけて

他のものにうつつを抜かして
今日もシャツを着る
例え無色だとしても
一つになることに抵抗はあるから

髪を撫でる時間で
明後日を摘み取ってしまえばって
安易な表現でしか伝えられないことが
多くあり過ぎる五月の夜に

喜んだ顔をするたびに
プールサイドに落ち葉が
僕の

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のっぺりとした紺色に
遠くのビルが重なっていって
最後には旋律に戻っていった
白とは形容できない光がぼやけるのは
訳もなく涙が川べりにあるせい
ただ美しさに身惚れていて
横たわった河川敷の匂いだけがそこに

全てが一緒くたになって
溺れていけば幸せなんだ
別れをテーマにした映画を撮って
君を曇らせることはしたくない
続くだけの清流が横にあるから
今日も缶を投げ捨てずに済んでる
誰かと話しても宙ぶら

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寄りかかる先は
横たわるより早く

雨が晒されてる路地
すり抜けたものがきらきらと

葉を打つ音はつぶらな瞳
柔肌に導かれる静けさに

銀針の世界が鼻筋を撫で
小さな海が流れ着いた

八重歯が浮かぶ
ぷかぷかと

顔が浮かぶ
ぷかぷかと

溜まり込んだ池の海
声はどこへ行ったのか
探してみればいいと思うよ

水面が静物だとしても
底が連想できたなら

少し波が立つだけで
怯えては強張ってしまうのを
弱さと言い換えたくはなくて
浮かんできた水紋をそのままに

どれだけ思いやっても
許せないものがあったとして
否定の素振りを見せてしまったら
残る物は何だろう

剥がしていった愛という言葉に
陳腐さより誠実さを載せることは
滑稽じみたものなのかな

汚い心ばかりになってきても
湖は深く控えていて
全てを飲み

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Emotion

成功したいって何?
社会的地位って何?
マナーがなってるって何?
勉強できたらそれで何?

そんなん並べて
ガキじゃないんだから
駄々をこねる前に芸術ってどういうやつか
俺の前で完璧に説明してみろよ
捨てるものがあるくらい大事なら
それなりの覚悟を持って書くんだ
感性が死んでいくことを
情報社会のせいにして
投げ出してしまうくらいなら何しても
どうせお前はその程度だから

詩的感受性があったとして

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