Y2003

文章修行中。

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  • 詩/詞もどき

    歌詞に影響を強く受けた短文形の表現を載せていきます。詩より主観的に歌詞より客観的なバランスを目指しています。

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    好きなカルチャーについて布教していきます。 参考になれば幸いです。

  • 小説もどき

    短い小説の墓場です。

最近の記事

羊歯

素描した鋭角 朝に横たわる曲線 それは抱擁そのもの 夕方になれば降られて 秋の底にひらひらと 刺せる恋人よ 表面を転がしておくれ 残り火の炉辺 昇る陽に潜んで 蘇りたまえ 踏み潰した古い恋人よ 烟る地中の新しい恋人よ

    • こわばり

      そっと視線を伏せながら 頬を撫でて行くと 柔らかさの実体が確かにあって 見えない管に繋がれた気持ち 首筋に運ぶ湿度に体は強張って 二人の距離は少し遠くなった 君の中にある色んな疑念や不安を 背中をさするだけで吐き出せるかな 決して高くはならない声の真ん中に 全ての愛おしさが詰まっていて 喉の奥にもそれが伝播してくる 素敵な勘違いをしたおかげで 僕の人生は思ってたより長く続きそう 振り回される午後に嫌味を言いたくなるけど 想像してる以上に僕は君のことが好きだ 指先のこわばりを見

      • Social media ballade

        ずっとここにいた気がする それは勘違いかもしれないけど そうあって欲しいと思うことは 悪いことじゃないだろ? たまらなく海がみたい気分なんだ 車を走らせて周りの景色が壊れてく中を ただ二人して走らせる 薬なんてやらなくてもいいものは見れる 老人が肩を寄せ合って歩いてて そこを子供が跳ねて通る どうみるかなんて内面の投影で 綺麗に見えたのなら俺は生きてていいかな? 八月の獣神につられて 口ずさんだメロディはラヴェルというより メンデルスゾーンみたいだった 最近は部屋の外を模写し

        • 最近聞いたアルバムを紹介してみる

          1 lil soft tennis 「i have a wing」 ついにageと共演したlil soft tennisの2023年のアルバム。オルタナティブとポップの融合とapple muisicに書かれていたが、ミクスチャー感覚を持ちながら歌物としての強度もあるアルバムとなっている。ナードなヒップホップという立ち位置は今一番誠実な表現方法な気がする。 2 ERWIT 「good bye」 Instagramの広告で流れてきたシンガーソングライターの1stアルバム。jp

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        記事

          I have a wing

          圧迫されて置いてかれて 手足を持った部屋が高温になって 外の景色だけが回っていて ロードムービーのように現実感が消えて 泡が壁紙に起こるから 金魚が泳いでるところにカメラを向けた そういえば灰皿を水槽に入れたまま 亡骸を抱く本棚にまた一つ積んで 指の先についた傷を反復してる 意味、意味、欲しいのは意味 現実感がニューロンに入らないから Mayとしか歌えないのかな 翼、泡、花火、そんなんでしか 僕の人生は説明できないって 湖の底の方に難破船があったって またふわふわしたニュース

          I have a wing

          Let there be love

          別離が昨日僕らを窓際から呼んでいた それは変わり映えのない秋の午後 コップに張った表面が震えて 来るべき寒さに毛布を被せる 湿った落ち葉が最後をちらつかせても レコードは歌い続けるよ 「そこに愛がありますように」 「そこに愛がありますように」 高いビルの上から見知らぬ人を覗いても 同じように温かい心を持って 例え戦火が頭上を覆っても 腐植土は消えないで輝くから 「そこに愛がありますように」 「そこに愛がありますように」 並んで歩くには遅すぎるから オ

          Let there be love

          プラットホーム

          沿線で時間を潰して どこにいきたいか考えてる こっちにきても列車が来る間隔は 思っていたより長い 浮遊していくサウンドだけが 側にあって 腕を回して首筋にかかる 横浜行ってみようかな いい思い出なんてなくても 二人の記憶ならいい気がして アウトロをずっと追いかけてる Eコードの諦念が好きで ずっとageを聴いてる 今は多摩の緑に馴染んできて 腕に夏を纏うこともできる したいことなんもないんじゃなくて もうしたくないだけ 子供じみた文をコーラと一緒に 綺麗に埋葬して乗り込もう

          プラットホーム

          My room

          綺麗にしまいこんだ手紙 茶色のケースにはシミなんてなくて 人知れず埋まったまんま 積み重なった文の輪郭は 形を保とうと必死そうで ビールで浸したら どんなになるかな シャッフルで流したラッドに 感情なんて乗らなくても CDラックをどこかに探してる My room isn’t mine anymore My room isn’t mine anymore 鷹が降りてくる小説を読みながら そんな曲を流し続ける 記憶がたくさん住み着いて 絡みつくように瞳を剥がす カーテンを閉め

          Vapour

          夜の底を見えないままに ギターのストロークを眺めて 緑の海月と共に街に潜ると 視界と皮膚が一つになって ここにいるようでいないような そんなふうに 何もいらないから このまま終わりまで ただそのままで 山裾の明かりが見えて 朝の足音がしたような 少しの不安が電車を走らせて また電線は夜を崩していって ずっとこれを繰り返して 誰も気づかなくても 頬をなぞって きっと横になるまで 腕を抱いて 透けていく線を重ねて 浮かび上がるものなんてなくても いつかの映画もそのままに

          綺麗なはずだった景色を 色んな絵の具で汚していって 何が残ったんだろう もう見れなくなったものが多すぎて 考えることもできないんだ ここに来たかったはずなのに なんだかうまくバランスがとれない たぶんここを目指してた 誰に言われたわけではなくても 割と頑張ったと思うんだ そうやって夜の街を歩きながら 自分を慰めても何にもならないけど 疲れ果てて空に溶けていきそうでも 川のせせらぎはまだ聞こえるよ 灯りは少ないけど真っ暗ではない 希望めいたものをそこに見てもいいかな 何が

          60s pop song

          晴れた平野を斜めに列車は進む 陽の光に一瞥しながら穏やかな時は 八月の空蝉を響かせている 彼女が煙草を吸いたいって言うから やめとけばって僕は言った 潰れた箱をポケットに隠して ないふりをして外を眺める 不機嫌な顔は鷲に掴まれて コークを一つ頼むんだ なんて可愛いんだろう 仕方なしに雑誌を読んでいても 文脈なんてお構いなし ああまた風に流れていく 乗り換え駅にたどり着いたのに 寄りかかって寝てしまってるみたい 肩を揺すっても鳥の声は聞こえない

          60s pop song

          七月

          音楽を交互にかけて 煙を街並みに腐していく ジャスミン茶が揺れて夏を塞いだら スネアのように季節は乾いていくよ 海に着くまで あとどれくらいかかるかな ナビなんて信じないでこのまま 「i’m waiting for」が浮ついて 色褪せたものを見えなくさせてる ハンドルを切る手に潮風が 絡み付けば少しは良くなるさ 海に着いても ずっと分からない そんな感じでいつまでも 外が暗くなってきて 防波堤が夜と仲良くしてる 泣いてくれればいい 笑えることができなくても 変わらずま

          美しいもの

          平凡に暮らしていても くだらないものが多すぎるよ 上を向いて進んでいくだけならば 永遠にそんなこと繰り返してればいい そこにはなにも求めるものなんてないから 俺はひと足先にドロップアウトするよ champagne supernovaのフレージングより 胸を振るわすものなんてどこにもない 薬物中毒のフロントマンが歌う 売れないバンドの一節が 命を救ってくれる夜もある メロディと言葉の抱き合わせで 少しでも分かり合えればいい 虚構の物語に官能さを見出せなくても 僕は君を愛し続けて

          美しいもの

          開かれたランボーの詩 永遠を海に見るより 布団を被せる手に力を込めて 苦しそうな寝言 妖しい壁紙の色 この陶酔から醒めないよう ゆっくりと目を閉じる 大鷲に連れ去られる詩を映画にして 抜け殻を焼却場へ運ぶ 階段を登っていくつま先が 鼻にかかる声につまづいても いつかの寝室へ戻っていくよ 「walkin’ on the rainbow」 鼻白む一節に皮肉以外をあたえて

          詩と歌詞と

          また文をつらつら書いていこうと思います。今回は詩と歌詞の違いについてです。 筆者は小説が好きだったので、大学に入ってからずいぶん多くの詩集を読みました。古典で海外のものが多かったですが、有名どころは一通り周りました。最初に感じたのは、強い詩的ジャンプについていけない感覚でした。我々が日常的に使っている言語感覚との飛躍が詩の面白さであると思うのですが、哲学の方が自分にはあっていてだんだんと読む機会が減っていきました。また社会学や経済学の学説に触れることが多く、詩の言語体系とし

          詩と歌詞と

          日曜日

          今日は試合なんかないよ 午前中はずっと寝ていたんだ 平日の疲れがどっときたから 起きた後もコーヒー飲みながら 外を見てぼんやりしてた たまにはそうやって白いカーテンに 触れて時間を過ごしてもいいよね 二時になったら家を出よう 映画館にはすぐに着くはず そういえばやらなきゃいけない課題が 机の上にあったんだ 舗装されていない道の真ん中に 窪んで溜まった水の揺らぎ 街をそこに留めてバランスをとってる 猫がそこへやってきて 少しだけ舐めてどこかへ行った 田園の緑と喧嘩するよりも