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I’m in love with you

I’m in love with you

I watched you leaning forward in front of the park where we were supposed to meet for a moment.

待ち合わせの公園の前で
前のめりに佇む君を少しだけ見ていた

I can't tell you that I stopped in my tracks because of how much I love

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パッチワーク

My pain、吊られて
抜け出せない ここは汚れた

森 晒された縄よ
狼 硯に伏さないで

ゴム製と書かれた 
締めて 閉めて 絞めて 「絞めて」

瓜 こういうふうに
My pain、吊られた後で

幻覚

ドラッグをやった後みたいな
清涼剤が僕を撫でて
昨日の玄関に
毒素は笑いながら消えていった

飛躍と逃走に横たわる窪地
実際のところどこまで遠かったのか
知る由はないことを
オパールの瞳 工事せずに

首を絞めて
お願い 嘘だから
首を絞めて
どこか 見えないかな 

無垢と純潔

笛吹の夜が逃げていき
皮膚を這うような虫が
水滴が波紋に落ちていく伝承
拙い造形に満ちていて

全てが等価にありすぎて
何も感じないスーパーマーケット的な?

綱渡りした粗目の葵
糸にぶら下がっていたのは
剥がれた理想郷と穿っていて

方位のない灯台
唾を吐く防人よ消えないで

人の見えない宗教画
切れてしまった電子音と共に
枯葉の隅にいないことだけを

穴倉

欠けているもの
茶色に濡れた額縁に
遠い山肌は優しかったと
後ろには逆さな記憶もあるようで

平らにならされたのは
誰でもないと言い切って
掘り込む両手に汚れは見えない
原油の色が網膜にあれば

平面に腕が吸い付く時間に
甘い香りが街に生きると
引き取る息の強張りは
小さな綺麗事でつぶらにして

フレア

梢の先は青ざめ
季節の軌道を青ざめ
脆い乱反射の受信機が
氾濫の葛 音を立て
恋人のことを忘れさせ
芯強く眺めるベランダで
目覚める意味などありはしないと

無伴奏

あ き
とめず
けせ ないと?
あ こわせばだいじょうぶ

かれは つれないよる
ころされない
ながれきった す み 
いいまちがえ 澄み

ちぢれるきのう の
しじんはわらう つみかさなり

とびはねて 
とびはねて
かっぱのびょういん

滑空

誰かのために生きるため
誰かの広さを限定して
歯車は嘆いてる
同じように想えないこと

君の色を否定した
極彩色で力強いその繊維
何にも変え難くあるべきだったのに

背中を知らずに押して
地面を考えることもせず
お座なりの綺麗事を
吸っては吐いてとめどなく

首を寄せて木々に潜む
沈んだ底は心地が良くて
溺れていてもいつかは同じに

望遠

巌に住む花
投げ出される蛍の粒に
君の悲哀は奪われていく

オレンジから灰に移る突端
薄靄を森林に帰し
僕の喜びは海溝に跳ぶ

冷めないで
超えないで
エタノールの臨界点

信用することなく
海辺の岩 こちらを覗いて

地質時代

寄りかかった石畳
消えない匂いを感じて
胎盤に粘りつき
タールを同化した躰

重複するような淡光は
本当にあったと言えるのかな
ただ粘土質の廃墟のつれづれで
纏った殻を色彩論へ

見渡す限りの灰色海岸には
懐かしい網膜があり
揺られている潮目が浮かんで
一人静の海は暗さを踏む

水が模した焼却炉
肌色の血管が透けて
肩を緩くなぞったpaleと共に
歴史はその身に気づくだろう

供物

指 凍えてしまい
それでも腕は同じ色
鯨の体内に鎖骨が飾られて
腐った果実酒 羽が付き

眼窩に暖炉の火が注がれて
百合が輸血をする横で
この音には差異があった
祭壇は次のシーシュポスを求める

熊になった者よ 徒然なるまま
この部屋を去ってはくれないだろうか

転落死のimage

墜落、ひいては沈殿のバラード
大鷲 鴉 鵺 焦茶の図鑑上にある 

救命ボートの底
蜥蜴は爆薬を抱える
毛細血管の逆流 邪ではないか

間にたった獣の戯れ
2階から上を向く

愛する者の死に顔が
斜視より早いものはあるのか

Don’t

しなびた駐車場に並んだ二人
夕景を終わらすことができなくて
泡が海に溶けていく様を
艶のある指を繋ぎ止めながら

頬に作られた陰影が
ここにある時間のすべてに近しく
エンジンをかけずに遠のいていくまで
笑い合うことはできないけど

重みのあるものを数えていくと
車内には海月がゆらゆらと
海底にあるいつかの甘さが
針の傾きを少し滞らして

一瞬重なった陽と海が
鳥たちを街に送り出していく
どうか泣か

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記憶

駄々をこねる日々を後にして
少しだけ新しい風を瞳に
ただ一つ欲しかったものが
あったということだけを忘れず
これ以上月と太陽を
比べてしまうことはないから

歯切れの悪い休日に
罪の意識をかき混ぜても
過去は綺麗に舗装されていく
狭い世界の小人の踊りが
見返すようにこちらを嘲笑っても
陽を届かせることはできるはずだから

幸せに出来る人が限られていても
偏屈な愛情を捨てはしないで
渦になった鈍色の

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