光
のっぺりとした紺色に
遠くのビルが重なっていって
最後には旋律に戻っていった
白とは形容できない光がぼやけるのは
訳もなく涙が川べりにあるせい
ただ美しさに身惚れていて
横たわった河川敷の匂いだけがそこに
全てが一緒くたになって
溺れていけば幸せなんだ
別れをテーマにした映画を撮って
君を曇らせることはしたくない
続くだけの清流が横にあるから
今日も缶を投げ捨てずに済んでる
誰かと話しても宙ぶらりんなまんまで
不安定さは形を持たない
遠くの街ばっかり脳内をこそばゆく動いて
祭りの気配だけが瞼へ
晒された醜さが連なって
ゴムをつける手つきを映し出してる
露悪的な小説を読んでも
何一つ変わりはしない
もういいよって言ってしまったら
砂丘の信者は怒ってしまうだろうから
光の祝祭に溢れた景色が
濾過液の透明さを持って歌ってる
汚れちまった悲しみは存在しない
裏切った普遍さが笑いかけるだけ
ビートは水面にある
続くいつまでも
言葉は続く消えゆくまで
平面にしかない世界を
男らしさは理解できるか
強さとか大口叩いた腕には
血糊しか光らないだろう
葵のカゴに入れ込んだ
親切な表面をピンセットで
ひらひらと大衆にあげてまた
誰も読まない小説を書く
ストーリーを紡ぐ裏で
不景気や戦火がこつこつと
忍足が聞こえなくなってきたら
目の前の世界で精一杯だって
言い訳してそれでいいかもね
祝祭は終盤になっても
灯篭は伝わってはいない
祈りが雪になる頃でも
銃は喉の奥につっかえてる
ビートは跳ね返らない
言葉は聞こえない
続くのは気のせいだった
そろそろおはようって聞こえるよ
だからやめにしよう
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?