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私的ジャズ論:オーディオフォーマット聴き比べ<その3>聴き比べ再び

皆様、あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします。

年末から少しお休みをいただいておりまして、これが2025年最初の投稿になります。新年最初の投稿はオーディオ関係で行きたいと思います。

昨年にジョンコルトレーンの傑作「ブルートレイン」を聴き比べました。その時の記事はこちら ↓ 今回の記事タイトルも迷いましたが、前回の聴き比べからの連番としました。

この後、家でCDやらレコードやらを整理する機会がありまして、別の作品で4フォーマット所有するものが出てきましたので(それもどうかと思うんですけど笑)、せっかくならこっちも聴き比べたいと思った次第です。

前回の聴き比べ記事を投稿した後もnoteをざっと確認したのですが、様々なフォーマットを聴き比べたという記事を見ていないので、こういう記事は実は貴重なんじゃないかなと思ってます。

ちなみに前回記事を書いた後にヤフーか何かの記事で「アナログはCDよりも音が良い」という論調の記事を見かけたのですが、私の前回記事を読んでもらえれば一概にそうとも言えないことが分かります。

個人的に言いたいのは、最近のアナログ盤(レコード)は人気が出過ぎで値段が高すぎます。レコードに人気があることは別に良いんですが(私も買ってますので)、もっとCDに注目が集まっても良いと思うんですよね。CDにちゃんとしたブックレットをつけたり、他の音源を付録CDで付けたりする方法ももっと見直されてもいいんじゃないかなと。。高音質CDフォーマットもありますしね。近頃では大量の音源が入ったボックスセットが乱発されていますが、かさばるし高いしそんなに聴けないというファンも多いはずなので、もう少し良い塩梅でCD化を企画してもらえたら嬉しいですけど。いずれにせよ、手軽に良い音ので聴くなら圧倒的にCDが便利というのが持論です。

最近ではクラシック音楽でもアナログ盤が再発され始めていて、いよいよブームもここまで来たかと思いました。というのも、CDがフォーマットとして世に出始めた時、一番喜んだのはクラシック音楽のファンだったはずだからです。静かな部分でもプチプチノイズはでないし、長い楽章もA面B面のまたぎを気にせず聴けるし、レコード内周で発生しやすい音割れとも無縁で(クラシックは結構クライマックスは大きな音で締めることが多く音割れしやすい)、CDは正に夢のフォーマットであったはずです。それが村上春樹の影響なのか笑、クラシック音楽ファンもレコードに回帰する状況。

私がもともとレコードに興味を持ち始めた理由は2つあります。一つは中古レコードは新品のCDはもちろん、中古CDよりも安かったからです。

2000年頃のレコード市場はもっと穏やかでした。もちろん当時からレア盤はあったのですが、音楽を聴きたいだけなら数百円で中古のアナログ盤が買えた時代。最近シティポップブームで再評価されている杏里とかコロナ前とかでも特価品ならレコード1枚が100円でしたし、人気盤でも数百円で1000円しなかった。今は再発で新品のアナログ盤が出ていますが、4000円ぐらいします。新品で盤の状態が違うとはいえ、もはや簡単には買えないレベル。新品の再発CDの2倍ぐらい。

今でも少しマイナーなアーティストになると500円以下のレコードもありますが(逆に当時売れすぎた作品も値段が下がる傾向にあります)、特に洋楽では値上がりが顕著です。ジョニミッチェルのレコードなんかは、彼女の手書きの絵がジャケットになっている作品は中古で数千円は当たり前、状態が良いと1万円を平気で超えてきます。昔は3000円以下でもそこそこ見つかったんですけどね(まぁそれでも高いですが)。

もう一つのアナログ盤の魅力は、その作品発売当時の雰囲気が分かるということです。一番典型的なのはライナーノーツ(作品解説)ですね。今の価値観で傑作だったとしても、発売当時は分からない。そんな感触がライナーノーツにはどう書いてあるのかを読むのは楽しい。中にはレコード会社の宣伝担当者や当時の音楽評論家が急いで書いたのか(昔は現物が無くカセットテープに入った数曲を聴いてライナーノーツを書くとか結構あったらしい)、酷いポエムや駄文だったりするんですが、それもそれで今読めば楽しめる。

あと国内版だとレコード帯が付いていて、既に再発だと裏面に「傑作ジャズXXシリーズ」とか「好評発売中」とかで過去のカタログがちょっとだけ印刷されていたりする。そういうので当時の空気感が分かるのも良い。今の視点で見ると「これは傑作じゃないよね?」とか「この作品ってCD化されてないんじゃないの?」とかもわかったりする。

海外盤だと、レコードが入っているビニール袋が紙になっていて、そこにレーベルが発売している他のレコードのアルバムジャケットが印刷されていたりして、眺めているだけで当時の音楽の流行を感じられたり、調べてSpotifyで聴いてみたりで発見があります。

一度、都内のディスクユニオンでソウル系だったか忘れましたが、中古で海外盤レコードを買ったらドルの値札(シール)が貼ってありまして、レコード店の名前も値札からわかったのでググったところ、数年前まで実在したアメリカのレコード店で、ちょっと感動したこともありました。何の運命か、アメリカのこのお店で誰かが買ったレコードが長い時を経てこの瞬間に自分の手元にある。こういう味わい方は中古レコードならではの愉しみなんです。CDはそこまで歴史を感じられる媒体にはまだなっていないし、物理的な体裁も世界で統一されているからか、レコード盤のような味わいは少な目。

ということで、私にとってレコード(アナログ盤)は、音の良さで選ぶものではなく、それ以外の価値で買い集めているものなんです。アナログ道もファーストカット盤が音が良いとか、どこの国盤がどうとかいろいろあるみたいですし、詳しい人が書いた本も読んだりしているのですが、あまり興味がわきません。それよりも、ジャケットがCDより大きくてカッコいいので買ってしまったなんてことの方が良くあります。

前置きが長くなってしまいましたが、ここで今回聴き比べをする作品を紹介します。

チックコリア:リターントゥフォーエバー

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Chick Corea / Return to Forever(1972)

この作品はチックコリアがジャズからフュージョンへと華麗なる転身を果たした作品としても有名ですし、その後のジャズ界のフュージョンブームを決定づけた傑作であり、そしてレーベルECMの代表的な作品でもあるという、まさに非の打ち所の無いマスターピース。おまけにアルバムジャケットも美しく正に完璧。今回は媒体の聴き比べ記事ですので作品レビューは書きませんが、作品としてもおススメなので皆さんにぜひ聴いてもらいたいです。

私のリスニング環境についても記載しておきます。前回の環境と変わりません。年末ジャンボが当たればカートリッジと電源ぐらい買おうかなと思っていましたが買えませんでした笑。

<オーディオ環境>
レコードプレーヤー: DENON DP500M(カートリッジ(針)は純正)
CDプレーヤー: Marantz SACD30
アンプ:Marantz MODEL30
スピーカー:Bowers & Wilkins S2
ケーブル:ブランド・型式は覚えていませんが別売りで購入
電源:専用電源タップではなく、一般家庭電源タップ

それでも一式そろえようと思うと100万円クラスのセットにはなりますので、このオーディオで違いが分からなければ、普通の環境ではまずわからないだろうという感覚で記事を読んでもらって良いかなと思います。ちなみに、家にサウンドバーガーと言う持ち運び可能なレコードプレーヤーもあり、そちらはそちらで活躍中です。部屋でちょこっと聴くには便利で気に入ってます。Bluetoothで飛ばせるのでスピーカーが対応していればケーブル要らずです。

媒体は以下の4種類です。

<比較する媒体>
・レコード(昨年に中古で購入した国内版)
・CD(スタンダード)
・CD(SHM-CD/スーパーハイマテリアル)
・CD(SA-CD/スーパーオーディオ)

SHM-CDは媒体側のプラスチックのデータ読み取り面の透明度を上げ、読み取りエラーを減らすことで音質向上を図ったフォーマットです。SA-CDはマスターテープ(この時代はアナログ)からより高いサンプリング回数で精度の高いなめらかな音像を記録し、それを独自の記録様式でCD化したものです。なので、SA-CDは普通のCD再生機では読み取れません。普通の再生機でも読み取れるように、専用の音源が記録されていることが多いですが、その場合はSA音源ではありません。私のCDプレーヤーはSA-CDが再生可能です。

実は今回のこの記事を書いている時点ではまだ聴き比べはしておらず、どの媒体の音が良いのか分からないで書いています。前回の私の好みはSA-CDでしたが、今回はどうでしょうか?

具体的な聴き比べは次回の記事をおたのしみに!

最後に一つ。近日中に新しい連載を始めようかと思っています。勝手に始めますので、始まったらよろしくお願いします。

では、またお会いしましょう!

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