「うつ」の誤診、または過剰診断の害、それを伝えてしまうことの害 その3

|なぜ過剰診断されるのか| 
なぜ過剰診断がされがちなのでしょう?
重症にとっておいた方が安全策だから?
確かに病気の重症度、という医学的な物差しで測れば、
狭義の病気である「うつ病」の方が重症ではありましょうが、
病気の重症度とご本人の苦痛は比例するものではなく、「軽ければ良くなりやすい」というものでもありません。
 

|「うつ病」とそれ以外とどちらが治療しやすいのか|
治療としては、
「薬さえ効けばどうにかなる(こともある)『うつ病』」より、
「薬だけでは良くならない『適応障害』」
の治療に取り組む方が大変で、難しいです。
 
もちろん「うつ病」であっても改善のために自分で工夫したほうが良い事はあります。
ただ、優先順位は
「うつ病」は「病気として治療を受ける」ということにあり、
「適応障害」は「生き方の工夫をする」ということにあります。
 
薬ならば、選択肢の中から選べばランダムでも当たることはあります。医師はその精度を上げる練習だけで済みます。
しかし「生き方の工夫」はそうはいきません。そもそも医師が考えられることではなく、「患者さんに考えてもらう、工夫してもらうようにどのようにして患者さんを動かすか」ということが求められます。
こうして書いていても難しい。
 
そうなれば、自然とうつ病寄りに判断してしまう、というのが人の弱さというものであり、医師も人の子、「うつ病ですね」と言いがちになります。トレーニングが不十分であればなおさらのことでしょう。
さらに医師の収益の事、時間効率のこと、医療制度のことなど言い出せばきりがないのでこの辺で。
 

ここを読んでくださっている方に置かれましては、こういった過剰診断がされがちであることと、その害が存在する事を考えの端に持っていただけると、御身の周りの「うつ」について取り組みやすくなるのかな、と思います。

この項ここまで。

「うつ」の誤診、または過剰診断の害、それを伝えてしまうことの害 
その3
https://note.com/modern_serval857/n/nde477a60df91
その2
https://note.com/modern_serval857/n/n8e552b091757
その1
https://note.com/modern_serval857/n/n04a6dbcc0fdb

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