「うつ」の誤診、または過剰診断の害、それを伝えてしまうことの害 その2
|過少と過剰と|
誤診には過少診断と過剰診断とがあります
うつ病に関連するもので行けば、
「うつ病」を、「うつ病」ではない「うつ」、としてしまう誤診:過少診断
「うつ病」ではない「うつ」を、「うつ病」としてしまう誤診:過剰診断
となります。
|「うつ病」を、「うつ病」ではない「うつ」、としてしまう誤診:過少診断|
これについては、「がん」の見逃しとは違って、深刻な問題にはならないことが多いです。
自殺につながるような重度の「うつ病」が過少診断されることはまず稀です。
一般の方だとわかりませんが、心療内科もどきであってメンタル問題にかかわろうとするような人物であれば。
そして、軽度から中等度の「うつ病」を、「うつ病ではないからそのうち良くなるでしょう」と誤診したところで、「そのうちに良くならない」ということがその誤診に気づかせてくれる、はず。
治療者が鈍くても、たいてい患者さんやご家族が「こりゃダメだ」と気づいてそのようなところからは逃げ出してきます。
過少診断の害は、
「良くならない」という結果で出てくる、
重症の方には起きにくい、
という二つの点で害は少ないです。
|「うつ病」ではない「うつ」を、「うつ病」としてしまう誤診:過剰診断|
お題にも上げた、こちらの過剰診断の害はなぜか影響を軽く見られています。
「重たい方の『うつ病』って言っておけば間違いないっしょ」
「抗うつ薬の害が出ると言っても、止めれば元通りでしょ」
「切ったり貼ったりするわけじゃなし、問題ないでしょ」
といったところでしょうか
結果、“過剰診断うつ病”が世にあふれます。
|「適応障害のうつ」「未熟型うつ」が良くなるには|
実際には、「適応障害のうつ」「未熟型うつ」などの薬物療法ばかりでは改善しません。
回復に最も重要な「自分で生活や対処法を工夫することが必要だ」というメッセージです。
その「うつ」の成り立ちを他罰から自責に捉え直していくことが治療の中核です。
過剰診断によって、「適応障害のうつ」「未熟型うつ」の方に「うつ病です」と伝えてしまうことは、「あなたは薬で良くなる病気です」という誤ったメッセージを伝えてしまいます。
その方の治療の妨げ以外の何物でもありません。
今日はここまで
もうすこし続きます
「うつ」の誤診、または過剰診断の害、それを伝えてしまうことの害
その3
https://note.com/modern_serval857/n/nde477a60df91
その2
https://note.com/modern_serval857/n/n8e552b091757
その1
https://note.com/modern_serval857/n/n04a6dbcc0fdb
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