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高校生視点で、親が子にやらない方がいいと思うこと4

漫画やテレビ、新聞、本などメディアを見させない 流行り物を制限しすぎること

これには主に三つの理由があります。一つは、言葉やコミュニケーションの獲得チャンスを失うため。もう一つは、周囲の会話についていけなくなるため。そして、禁止した反動で将来依存する可能性があるためです。テレビなど見ていないで勉強しなさいよ、漫画なんて子供がバカになる、と思っている親は多いと思いますが、メディアと上手く付き合えば楽しく効率的に色々なことを知れます。

↑の概略で気付いたかもしれませんが、ニュースだけ見せてるからヨシ!とはなりません


1-1 言葉の獲得に関して

子供の生活範囲は幼ければ幼いほど小さいです。幼稚園児なら家庭+幼稚園+人によっては習い事や親の実家など、小学生だとしてもそこに学校や友達の家などが加わる程度でしょう。一方でメディアはノンフィクションやフィクション、日本国内から世界中など、範囲は無限です。つまり、子供が実生活であまり触れられない世界が見られるのです。
あまりにも抽象的すぎるので具体例を言います。私は忍たま乱太郎を幼稚園児〜小学生のころよく見ていました。(ギャグ漫画なので教養がとかいうのは憚られますが)この作品には、「アルバイト」「馬借」「剣術」など子供がなかなか聞かないような言葉が使われています。他にもキャラの出身地などの設定で、「河内」「丹波」「紀伊」など昔の国名が使われています。子供のうちにそういった言葉を聞いたことで、その場で意味を知ろうとしなくても、話の流れで意味を知ったり、そもそもの概念の戦国時代という時代があったことや、忍者の存在、その時代の地域の名前などを知ったりしました。各エピソードのことなので詳細が不明瞭ですが、他にも慣用句、ことわざ、皮肉、忍術の名前などを色々覚えました。つまり、「実生活では知り得ない言葉を、簡単に知ったし使い方まで分かりやすく覚えられた」ということです。

1-2 コミュニケーションの獲得に関して

本に比べて、漫画やアニメはキャラの動きを客観的に描写していますから、こういうキャラはどういう考えを持っているか?こういう行動をしたキャラがどういう扱いを受けるか?というのが特に分かりやすく描かれます。例えば名探偵コナンでは、コナンは本来は優秀な高校生だから少年探偵団の歩美や光彦や元太より大人びた考えを持っています。そしてよく、コナンが新一であるということを知らないキャラに感心されています。また、小五郎は自分自身で事件解決をしていなくても、コナンが小五郎を眠らせ彼の声で推理を披露するので、眠りの小五郎として名探偵と称されています。
こういった、他人の行動の理由を理解することは相手を思いやることにおいて大切です。相手が何を欲しているか?どういう立場なのか?といった心の読み取りは現実世界では難しい時もありますが、アニメや漫画はその例を分かりやすく教えてもらえるのです。昔話など子供向けの本やアニメでは、勧善懲悪が描かれることが多いですが、それの延長のようなものでは無いでしょうか。

2 会話についていけなくなり、疎外感を受ける

正直、殆どの子供は休み時間と給食のために学校に行っているようなものです。将来のキャリアが明確で、その為に何をすれば良いのか計画を立てて実行している子(例、名門中学受験など)の場合は別ですが、そういう子は稀です。メディアを見ていない、つまり流行やエンタメの話を知らないと、友達との会話についていけなくなります。大人でも、自分の興味だけでなく周りの人と話を合わせたり話題作りのために、サウナや音楽などの流行りものに手を出したり、興味のない分野のニュースを見たり、勧められた店に行ったりするでしょう?それと一緒です。
情報を知らないと、その子は同級生との話題がなくなり、仲間外れになる確率が急上昇します。また、先生や周囲の大人(習い事の先生や親戚)も、「この世代なら今これが流行ってるよな」というのをある程度把握していて、その話題を振ることがあります。例えば、先生が雑談で「この間出かけたら、たまたま⚪︎⚪︎のロケやってて、生で△△を見たんだよ。やっぱり人だかりが凄かったし、スターのオーラあったよ〜」と言ったり。夏休みに会う親戚が、「いま小学生の間で⚪︎⚪︎ってアニメが流行ってるんだって?△△くんはどのキャラが好きなの?」と話しかけたり。
メディアを見せない、流行り物を遠ざけるというのは、その子を社会から引き離すのと同じです。

3 禁止された反動で、依存する

特にゲームや漫画などに関するものです。もちろん本人の性格によりますが、満たされなかった欲求を大人になってから満たそうと、成長してから歳不相応なゲームやテレビなどに熱狂することがあります。しかも成長してからの場合、お金や時間の自由度が高いので、重課金や長時間プレイなどに繋がりやすいです。
また子供でも、友達の家や児童館、家電量販店のお試しや本屋の立ち読みなどで、貪るように楽しみます。親の居ないところで遊ぶのです。友達の家での場合、ゲームの持ち主やその親がドン引きするほど遊ぶ子もいます。これじゃゲームは禁止できていないだけでなく、友人関係に更に傷を作ってしまいます。

これを続けた場合、何が起きるかと言うと、
・語彙力が高まらない
・話のネタが少なくなる
・周囲の人と馴染めず、孤立する可能性が高まる
・孤立すると、いじめや仲間外れの標的になったり、学校に行きづらくなったり、コミュニケーションが苦手になる
・メディアから遠ざけた分、親が勉強をさせても、所詮は強制させた勉強なのであまり結果が振るわない
・ゲームや漫画がある場所で熱狂的に遊ぶ
・将来、依存する
といったことが考えられます。

親にとってはたかがゲームや漫画の下らないものでも、子供にとってはそれが小社会です。


Ex

メディアと書きましたが、結局のところ禁止されがちなのは漫画やアニメやバラエティ番組ですよね。過去には小説だって馬鹿にされていましたが、今やみんな楽しんでいますし、むしろ読むことを推奨されています。時代とはそんなもんです。

公立小学校から地元の名門中学に受かった友達は「勉強を1日三時間すればその後はゲーム漫画無制限」という親との合意のもとのルールだったようです。

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