かわいいヘンリー

ロンドン大学客員Ph.D研究員の留学日記 研究以外のことと、たまに研究のことも書きます

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最近の記事

帰国前日の虹

帰国のフライトを明日に控え、記事を書いている場合ではないのですが、これだけは記しておきたいという話題です。今は3月2日(土)ですが、今週も1日1日が濃く、この日記に記すべき出来事も多かったです。が、今はそれどころでない忙しさなので、日付は前後しますが帰国後に書き足すことにします。 今日はSenate House Library(国会図書館とロンドン大学のコラボみたいな感じ?)に、最後の本を返しにロンドン中心部にある文京地区ブルームスベリーに出かけました。 返そうとしていた

    • The 2nd Sunday of Lent, the 2nd to the last Sunday

      今日は表題のとおり、四旬節第2週目主日であり、かつイギリスを去る2週前の日曜です。周囲の人たち、つまり、大学関係と教会関係の人々も、ちょっとお別れモードになってきています。 今日の礼拝後は、午後イチで "Westminster Citizens open meeting", 「ウェストミンスター市民オープンミーティング」が聖マーティン教会で開かれました。市民、といってもそこは世俗のタウンミーティングとは違っていて、ウェストミンスター区で社会活動を盛んに行なっている諸教派の人

      • ウクライナ侵攻2周年デモに参加

        日本のウクライナ難民の受け入れが2000人程度なので、「ウクライナ難民」がどのような人々なのかを想像することが、日本ではなかなか難しいと思います。 イギリスは、BBCの記事によれば25万人ほどのウクライナ難民を受け入れています。私のホストファミリーも近所の方も、余裕があるこちらの家庭では難民の方を受け入れていることや、教会の祈りでもしばしばウクライナについて言及されることもあって、彼らの存在は、私にとってもロンドンに来てから身近になりました。ちなみに、受け入れ家庭には相当の

        • 「必要なことは、だた一つだけ」

          "PORRO UNUM NECESSARIUM" 今日は、大学で久しぶりに同僚Sとじっくりお話することができました。 「最近の研究の進み具合、どう?」 という話題になった時。 よくぞ聞いてくださいましたと、トーニー『貪欲社会』(注:日本語訳では一般的に『獲得社会』とされています。)の最終章に関する研究成果について、堰を切ったように伝える私。 S「で、その『最終章』のタイトルは何?」 私「それがラテン語なのよ。for, only, one, necessary….とか何

          灰の水曜日 Ash Wednesday 2024

          日にちは前後しますが、記録として記事にしておきます。 2月14日(水)は、キリスト教暦で「灰の水曜日」でした。 今週から毎週水曜の夕に、レント期のレクチャーも開始です。 マーク・オークレーの、My Sour Sweet Daysというタイトルの本がテキストで、ジョージ・ハーバートの詩を読む講座です。 詩、か。もっとも苦手なジャンルだぞ。 しかし、だからこそ興味が湧くというものです。 その直前に行われた水曜の夕礼拝でのカーター司祭の説教、四旬節初日ということだらかしょうか、

          灰の水曜日 Ash Wednesday 2024

          聖歌隊[臨時]メンバー@聖マーティン

          四旬節第1週目日曜の今日の聖餐式礼拝に、クワイヤーの真正メンバーはお休みの日に、臨時メンバー募集のお知らせがあり、ここぞとばかりに参加しました。 ね、いますでしょわたし。前列の中央に。 このくらいの人数でも、(そしてたとえあまり上手くなくとも)聖堂で歌うと綺麗に響きます。主な曲目は Wade in the Water Lent Prose Irish Blessing でした。今日は四旬節の始まりの日曜日ということもあってか、サム司祭の説教がちょっと重めにズーンときた後

          聖歌隊[臨時]メンバー@聖マーティン

          やっと辿り着けたLSEアーカイブ

          最近のLSE、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスを知る人は、私のトーニーくんの生業が、ここ大学の教授だったということにかなり違和感を覚えるかもしません。120年くらい前の創立当時はもっと泥臭い大学だっと思うのですが、今や、エリートになりたい若者たちが世界中からわんさと集まる名門校になってしまいました。キャンパスを歩いていても、何ヶ国語も、中には何語か私には分からない言葉も飛び交う、文字通りインターナショナルな大学です。 ここの図書館のアーカイブには、Tawney Pap

          やっと辿り着けたLSEアーカイブ

          旧正月の願い@聖マーティン教会

          キリスト教暦では来週からレント(四旬節)に入るわけですが、その1週前の今日は、教会内の香港人コミュニティによる旧正月のイベントが行われました。 教会のファンドレイジングで、書のデモンストレーションと販売。まあ、大概のイギリス人は漢字が読めないので、どの文字にするかは英語の意味対照表から選ぶ、という感じだったようですが、私の場合は特注です!うえっへっへっ、こちとら漢字が読めるんでな。それがこちらです。 営業マン役のお兄さんに、「ねえねえ、この書には何かこう、呪術的な効果とか

          旧正月の願い@聖マーティン教会

          能登半島地震から1ヶ月後のロンドンでのランチ会話

          今日はたまたま、家の人たちとで3人が同席したランチになりました。 冷凍保存してあった白ごはんで、即席・ブルーチーズのリゾットを作り、これをシェアしたところこれもまたご好評。 その席で、Jが能登半島に関するBBCのニュースをiphoneで提示してくれました。 私「政府はこの街の再興なんて考えていないと思う。棄てられるんだろうね。1ヶ月経ってもこの有様っていうのがそれを物語っているでしょう」 JもPも、しばしの絶句。 おとうP「この街の人たちだって、税金を払っているんだろ

          能登半島地震から1ヶ月後のロンドンでのランチ会話

          シベリウス2番@バービカン

          「ロンドン留学中にしたいことリスト」の中にひとつあったのが、生オケでシベリウスを聴く、でした。演目としてあるんですよね、イギリスではこのシーズンに、シベリウスは必ず。というわけで、ロンドン交響楽団のシベリウス2番を、ロンドンフィルのお膝元バービカンセンターで楽しんできました。 やはりクラシック音楽は、ライブの醍醐味が段違いですね。今回のシベ2に関していえば、たとえばコントラバスからチェロに引き継がれるピアニッシモの細かいピチカートとか、「ビジュアルだから楽しめる箇所」がとて

          シベリウス2番@バービカン

          ホストファミリーとの髪色の話

          昨日はオックスフォード・サーカス近くにある美容院HANAさんでカラーリングをしてきた、ということを、おうちの人に伝えた。そしたらおとうP「地毛の色だと思っていたけど染めていたのか」と。 うーむ、そう見えていたのか。 確かに、いわゆる金髪にしてからこの2年くらい、日本でも「ハヤシさん金髪が似合う」といってくださることが多くありがたいですが、これが地毛だと思っていた人は、Pが初めてです。 この色でごく自然にみえるということで、まあよいでしょう。 「元の色は結構こんな感じ、これも

          ホストファミリーとの髪色の話

          空気を読む

          「空気を読む」という日本語が使われ出したのは、割合に最近のこと、といっても2000年代に入ってからではないでしょうか。 では、それ以前の日本人は「空気を読む」ことをしなかったのでしょうか。そんなことはないと思いますが、「空気が読めない人」に対してとくに非難が向けられるようになったのは、やはり2000年前後でなかったかなと思います。そう、発達障害という概念が一般化されてきた頃と呼応するのでしょう。 空気を読むことが、まるで日本人のお家芸であるかのような言説もありますが、それ

          「ホームレスの日」日曜礼拝

          "Homelessness Sunday"の上手い訳語がみつかりません。エピファニー4週目の日曜礼拝の今日は、ホームレスについて考え、祈る日でした。 今、私が通っているイギリス聖公会の聖マーティン教会は、とりわけホームレス支援に積極的な教会です。しかし、それだから今日のような機会が設けられたわけではなく、ホームレス問題に対する取組みはメソジスト教会も積極的ですし、政府でさえ、日本政府の施策がほぼNothingなのに比べて、Homeless Reduction Act, 「ホ

          「ホームレスの日」日曜礼拝

          ケント州ロチェスター訪問

          日付は前後しますが、1月5日にロチェスターを訪問しました。 年始、ロンドンからも大学からもさらに南に引っ越したので、実質、ケント州が近くになりました。本来「ロンドンで会おうね」といっていた友人Oですが、今、ロチェスターで伝道に従事しているので、私がそちらを訪問することになったのです。 この翌週のウィークデー、月から金曜の終日、ロンドン地下鉄が全面ストに入る影響がすでに及んでいるのでしょうか(信号機の故障とかアナウンスしてましたが…)、遅延に遅延が重なって、ロチェスター到着が

          ケント州ロチェスター訪問

          歓待日1:セントポール寺院とLes Miserable

          東京で同じ大学で、専攻と年齢は大分異なりますが同窓で、イギリス北東部に留学中の院生Yさんがロンドンにやってくる!ということで、ロンドンで一緒に時を過ごしました。 「せっかくハヤシさんとご一緒するのだから、教会をみたり体験したい」とのことで。実は、そういわれることが結構あります。日本の皆さん、キリスト教を知りたい体験したいという、とくに若い方でそのような方は少なくないと思うのだけど、日本にキリスト教が定着しないのはなぜなんでしょうか。まあ、その話は今はおいといて。 この日は

          歓待日1:セントポール寺院とLes Miserable

          「ハノーバー聖歌隊」との「メサイア」体験

          それは1月14日に、東ロンドンの教会で行われました。 聖マーティンでの日曜礼拝後、正午から1時間ほどサム・ウェルズ司祭を囲んでの「神学のお授業」に参加した後、急ぎ足で会場に向かいました。 すでに共同体が出来上がっている中へ、一人でそこに飛び込んでゆくのは常にある程度の緊張を伴いますが、それは織り込み済みなのでよしとしましょう。ただそれも、1時間ほど皆と過ごして最初の休憩の頃にはすっかり解消されてしまいました。 それよりも、たとえいっときでも、そして全部でなくとも、「聖堂で

          「ハノーバー聖歌隊」との「メサイア」体験