好きになった彼は想像と現実では全く違う人でした


サラサラな髪の毛
すらっとした体型
あの冷たそうな瞳

いつもつまらなそうで
なぜか寂しそうで。

でも笑顔が美しい。


そんな彼の事を私は初めて会ったその日から、好きになっていた。
同い年なはずなのにそこら辺の人より全然大人に見えて、掴めそうで掴めないそんな彼が好きだった。


だけどやっぱり現実は違った。


よく話すようになれた。
いつも私が一方的に話してるけど。
でも、話しかけれる事ですら嬉しかったし
話してる時こっち見てくれてるのも嬉しくてたまらなかった。

本当に一般的な話。
テストがどうだとかそんな事。


その後何度か運命的な事が起こった。
その時から私は本気で彼を好きになっていた。

色々あって遊びに行く事になった。

ここまではドラマあるあるの展開。
気分は完全ウェブドラマの主人公。

いつ既読になるかなとか返信早くてびっくりしたり
会えたり会えなかったりで一喜一憂して、
とにかく感情を沢山揺さぶられた。




文一つ送るのにも
何度も打ち直した。
後々、こう送れば、とか考えた。
楽しかった。幸せだった。

そんな時、そういえばさ、
の一言から一気に会話内容が変わった。




ああ、やっぱりこの歳だし。そっか、
そう思うほどの内容だった。
出来ればこんな話したくなかった。

もっと大人だと思っていたその人は全然違う、デリカシーもない単なる子供だった。

気持ちが悪かった。
動物で表すならまるで猿。
吐き気がした。



私を女として見てくれてたのはすごく嬉しかった。
だけど、女として見られすぎていた。

私は単に仲良くなりたかった。
まずは仲良くなりたかった。


その人が思うような関係にはなりたくなかった。


やっぱり先走ってただけだったんだ。
勝手にもう少し大人だと思い込んでしまった私が馬鹿だったんだ。



こんなんじゃ、もう遊びに行けないね。



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