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単体

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単体もののまとめ 小説、感想文など
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2024年3月の記事一覧

始まりの文字は

始まりはきっと些細なことだった。
本を好むようになったのも
一人を好むようになったのも
クラスメイトに嫌われてると思い込み出したのも
誰も信じようとしてなかったことに気づいたのも
自分が普通じゃないって気づいたのも
全ての始まりは文字だった。
人生を物語に例えようとした。
人生は物語だと思い込もうとした。
神様はいると信じようとした。
信じられないからこの世にはいない、別の世界にいるのだと決めつけ

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俗説

題名を思いつかなかったやつ
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「性別違和の正体は前世の性別である。魂の性別と身体の性別が一致しないことから起こってしまう障害である」
そんな俗説が広まって、非難の目は同情の目に変わった。

「れーくん、次あれ食べよ」
「さっきお腹いっぱいって言ってなかった?」「デザートは別だもん。一緒に食べよ」
「……先に他のところ行かない?」
「いいよ。でも絶対後で来よ

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私の神様

去年書いた小説のようなものです
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   私の神様

保育園が一緒だった。
小学校も一緒だった。
中学校もクラスは違うけど一緒だった。
高校は別だったけど、近かったから一緒に登下校できた。
進路は違ったけど、同じアパートに住もうって言ってくれたから、空いていた一つ下の階の部屋を借りた。
私は所謂OLで昼に仕事をした。
琳寧(りんね)はキャバクラで働いていて

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人形癖〜リナリア〜

去年書いた小説のようなものです
続ける予定でサブタイトルをつけたけど結局続いてない
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   人形癖〜リナリア〜

僕は父が好きでした。
僕が何かして母に怒られても必ず庇ってくれました。
母も優しかったですが、母以上に僕に優しい父でした。
好きなものを沢山食べさせてくれました。
嫌いなものは皿からこっそり取って食べてくれました。
そして母にバレてよく一緒に

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嫉妬欲

一昨年初めてコンクールに応募した女生徒の二次創作
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   嫉妬欲

朝、細く開いたカーテンの隙間から朝日が零れている。
部屋に浮かぶその線を見て、溜息をつく。
「今日も学校に行かなくちゃ」という気持ちと一緒に、なんだか変な感情が込み上げる。
一体なんと呼ばれる感情なのか。
笑顔と泣き顔が混じったような。
昨日、夜中にあんなに降っていた大雨は止んでしまった

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なおったらいいな

前回、前々回のと同じコンクールに落ちたやつ
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   なおったらいいな

 冷たい牢にいた。
ずっと妄想に浸って、それを話す日々だった。

 青空の下を歩くのは、八年ぶりだった。
「今日からここで暮らそうね」
牢から出してくれたその人はそう言って、他の田舎にも行かないといけないからと、早々に旅立ってしまった。
背の高いお姉さんに「お話しましょう」と机を挟

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シミュレーションゲーム

前回のと同じコンクールに出して落ちたやつ
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   シミュレーションゲーム

こんにちは。
私はレナです。
このゲームのナレーションを行います。
ゲームを始める前に、操作方法、ゲーム内容を説明します。
このゲームは選択式のノベルシミュレーションゲームです。
画面に表示される選択肢をタップ、もしくはクリックしてください。
このゲームではあなたは教師です。

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僕のカノジョはXジェンダー

ちょっと前にコンクールに出して落ちたやつ
なにかしらに出して落ちたやつはここで承認欲求発散させていただきます
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   僕のカノジョはXジェンダー

「お姉さん座ったら?」
紳士的であるはずの行動も侮辱になってしまう。
「僕たち次で降りるので」
大抵黙って突っ立っているので、僕が断って、別の車両に移動する。
   私は「不定性」です。
そう書かれたジェンダ

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制裁者

多分一昨年書いた小説(?)です
初めての一次創作
夢で見た内容を元に書いてます
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   制裁者

 ご飯食べて、お風呂入って、歯磨きして、なんだっけ。
ああ、明日の朝ごはん用にパン買いに行ったんだっけ。
それから、なんでここにいるんだっけ。
そもそもどこだろう、ここ。
ドアとモニター?以外何もない。
ドアは開かないし、出られない。
かと言って何もできない

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朝焼け

昨日は珍しく日の出十分前くらいに起きたので散歩に行った
住んでるとこからすぐ山の道路に入れるとこがあって
大通りほどではないけど一応ちゃんとした道路(車が一つしか通れないのって一車線?)を早歩きで十分弱歩いて畑か放っとかれてるのかわからないとこの脇道に入って朝焼けを見た
朝焼けは中学の時の風景画用に写真撮るためにお寺行ってみたの以外初めてだった
普段は夜中に目が覚めて、起きたらもう明るい
その時の

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突然のリアル猫ミーム

毎週ショートショートnoteに参加させていただきます
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[同棲二年目の二月、彼女が猫になりました]
親友から急にLINEが来た。
[は?]
[なに小説でも書くの?]
今度は動画が送られてきた。
『ミィ、ミャー』
猫だった。
[彼女にフラれて猫飼ったのか?]
[今すぐモフりに行っていい?]
[モフるのはだめ]
家に行く許可は出たので遊びに行った。
「かわいい

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