始まりの文字は

始まりはきっと些細なことだった。
本を好むようになったのも
一人を好むようになったのも
クラスメイトに嫌われてると思い込み出したのも
誰も信じようとしてなかったことに気づいたのも
自分が普通じゃないって気づいたのも
全ての始まりは文字だった。
人生を物語に例えようとした。
人生は物語だと思い込もうとした。
神様はいると信じようとした。
信じられないからこの世にはいない、別の世界にいるのだと決めつけた。
あるいは、人間が縋り付く存在が神なのだと決めつけた。

ノイズ

なんとなく苦しくなって
楽しいことがやめたくなって
なんとなく嫌になって
なんとなくどうしようもなくなって
面倒はいつだってあって、それをこなさないと生きられないのに、やっぱり面倒で
咀嚼も面倒
箸を持つのも面倒
コップに口をつけるのも面倒
髪を洗うのも面倒
シャワーを浴びるのも面倒
着脱も面倒
歯磨きも面倒
排泄も面倒
歩くのも面倒
立ち上がるのも面倒
座っているのも面倒
横になるのも面倒
眠るのも一苦労
喋るのも面倒
呼吸も面倒
鼻が詰まればなおさら面倒
音が聞こえるのも面倒
光が見えるのも面倒
匂いが鼻をつくのも面倒
味が舌を撫でるのも面倒
なにかに触れるのも面倒
その情報が入ってくるのも面倒
生きているのも一苦労
考え出したらきりがなくて、意識すらせずにできることを、できるから、面倒だと思う
考えれば面倒だと思うのになぜ無意識でできるのか
無意識だからできるのか
そのための欲なのか
やめようか
提出するのはやめようか
僕たちは僅かにでも脳を軽くするために書き出しているにすぎないのだから
この世に存在する全ては、フィクションである以外なんでもない
ゲームの主人公が操られてると気づかないように、各々、脳への操作の電波を、知らないのだ
人はなぜみな姿、性質が違うのか
見分けられるため、それ以外の理由はきっとない

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