見出し画像

『テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ』in 国立新美術館

先月、東京・六本木の新国立美術館で開催中の、 『テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ』に行ってきた。
*10月2日(月)まで、毎週火曜日休館。
*その後、10月26日(木)~2024年1月14日(日)、大阪中之島美術館に巡回


そもそも、この展覧会の内容、だいぶ勘違いをしていた。
友人を誘うときに「マティス展と、スペイン展と、ターナー展、どれがいい?」と聞いていて、「ターナー展」に行こう、ということになったのだが、あとで、パンフやサイトで確認したら、「ターナー」展じゃなくて、「テート」展じゃないか!
パンフはでっかくターナーの作品だし、「ターナー」と「テート」なんとなく似ているし、間違えるよね(笑)、と苦しい言い訳。

それでも、まだターナーの作品がたくさんあって、他に印象派とかの作品があって、くらいのイメージでいて、展覧会が近づいてから、関連番組を見たり、サイトをチェックしたりして、あれ?ちょっと違うらしい、テーマは「」で、現代アートぽいのもあるらしい、ということに気づく。

本展は、英国・テート美術館のコレクションより「光」をテーマに作品を厳選し、18世紀末から現代までの約200年間におよぶアーティストたちの独創的な創作の軌跡に注目する企画です。
「光の画家」と呼ばれるジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーや風景画の名手ジョン・コンスタブルといった英国近代美術史を彩る重要な画家たちの創作、クロード・モネをはじめとする印象派の画家たちによる光の描写の追求、モホイ=ナジ・ラースローの映像作品やバウハウスの写真家たちによる光を使った実験の成果、さらにブリジット・ライリー、ジェームズ・タレル、オラファー・エリアソン等の現代アーティストによってもたらされる視覚体験にまで目を向けます。
本展では、異なる時代、異なる地域で制作された約120点の作品を一堂に集め、各テーマの中で展示作品が相互に呼応するようなこれまでにない会場構成を行います。絵画、写真、素描、キネティック・アート、インスタレーション、さらに映像等の多様な作品を通じ、様々なアーティストたちがどのように光の特性とその輝きに魅了されたのかを検証します。

―サイトより

ようやく趣旨を理解して、会場へ。
それでもまだ予想以上に、前半と後半では、全く違う展覧会のようだった。

部屋は7つに分かれているので、順に見ていこう。
といっても作品紹介は主に前半だけになる。
写真は、結構取り放題だったけど、現代アートはもともと苦手、後半は撮る気がしないものが多かった。

ROOM 1

噴火を描いた作品は、恐ろしいけど美しい。

ジョゼフ・ライト・オブ・ダービー<噴火するヴェスヴィオ山とナポリ湾の島々を臨む眺め>
ジョン・マーティン<ポンペイとヘルクラネウムの崩壊>

似たような名前の方、特にジョンさんが多くて、混乱するけど、こちらは1つ上の作品と同じダービーさん。

ジョゼフ・ライト・オブ・ダービー<トスカーナの海岸の灯台と月光>


ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー<陽光の中に立つ天使>
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー<湖に沈む夕日>

ROOM 2

エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ<愛と巡礼者>
ジョン・ヤング=ハンター<私の妻の庭>
ジョン・コンスタブル<ハリッジ灯台>
ジョン・リネル<風景(風車)>
ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー<ペールオレンジと緑の黄昏—バルパライソ>
ジョン・ブレット<ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡>


アルフレッド・シスレー<春の小さな草地>


アルフレッド・シスレー<ビィの古い船着き場へ至る小道>


クロード・モネ<エプト川のポプラ並木>


アルマン・ギヨマン<モレ=シュレ=ロワン>


カミーユ・ピサロ<水先案内人がいる桟橋、ル・アーブル、朝、霞がかった曇天>


この部屋の中央あたりに、壁際が移る鏡のようなものが置いてあった。
これは作品と一緒に自撮りできる仕組みかな?しゃれてるじゃん~と思い、友人とポーズをとって、試行錯誤の末、満足のいく写真が撮れた(それはちょっと載せられないけど)

で、立ち去ろうとしたとき、説明を見て、これは草間彌生の作品だったことに気づく。(笑)
自撮り用じゃなくて、中に水玉が見える仕組み。


草間彌生<去ってゆく冬>

ROOM3
以前見たことのある、ハマスホイの作品など。
光を感じる、というよりちょっと暗い。

ROOM4
ターナーの講義用資料など。
すごいなあ、とは思うが、ちょっと地味。
この部屋は撮影不可。

ROOM5
抽象画はあまり好きではないけど、これはいい。


ワシリー・カンディンスキー<スウィング>


ROOM6&7
この2室は、意味不明なインスタレーションや、友人が気分が悪くなってしまった部屋とか、私も耐えられなかった不快な音を聞かせる部屋など、やめてくれ!という展示ばかり。
最後の作品だけはちょっとほっとしたが、

オラファー・エリアソン<星くずの素粒子>

それも光が当たるとまぶしくて、早々退散。
まあ、こういう現代アートを理解できたり、好きな人は好きなのだろうから、それはそれで別の展覧会にしてもらいたい。

今回の展覧会は当日2200円(前売り2000円)だった。
最近の展覧会が、高額になったのは、種々の事情でやむを得ないとは、思う。
しかし、今回のような全然違うものをまとめるなら、2つのブロックにわけて、1つだけ見るなら1500円、両方見るなら2400円みたいな設定にでもしてくれればいいのに、とも思った。

ともあれ、前半だけでも十分な数の素敵な作品を堪能できたし、友人との好みもかけ離れていなかったので、後半はぶつぶつ言いながら一緒に駆け抜けることが出来、十分楽しんだのであった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?