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「印象派 モネからアメリカへ -ウスター美術館所蔵」展 in 東京都美術館

先週、上野の東京都美術館で開催中の「印象派 モネからアメリカへ -ウスター美術館所蔵」展に行ってきた。

1月27日(土)~ 4月7日(日)
休室日:月曜日、2月13日(火)
※ただし2月12日(月・休)、3月11日(月)、3月25日(月)は開室
*土曜・日曜・祝日及び4月2日(火)以降は日時指定予約制(当日空きがあれば入場可)

巡回情報:
郡山市立美術館(福島)4月20日~6月23日
東京富士美術館(東京・八王子)7月6日~9月29日
あべのハルカス美術館(大阪)10月12日~2025年1月5日

パンフレットをもらった瞬間に、これは行くぞ!と決めて、前売り券も買っておいた。
パンフを見て、モネがたくさんあるんだな~と勝手に思っていたのだが、よくよく調べると、モネの展示は2枚だけ。でも、フランスの印象派の作品はたくさんあるんだろう、と思いきや、メインはアメリカの印象派
あちゃ~と思ったけど、実際に行ってみると、とても美しい作品が多く、今までメアリー・カサット以外は全く知らなかった、アメリカ印象派の絵画を見るのもまた新鮮でよかった。

館内にはいくつかフォトスポットもあり、記念撮影はばっちりできたが、作品自体の撮影はできないので、作品紹介は、ネット画像を拝借することにする。

全体は5つの章に分かれている。

第1章 伝統への挑戦

伝統的に歴史画や宗教画は格が高いとされ、次いで肖像画、風俗画。
背景に描かれる程度であった風景画がジャンルとして成立した後も、風俗画より下のランクに位置されていた。
しかし、19世紀になると、風景画が主題として描かれることが多くなる。
バルビゾン派レアリスムなど、印象派の先駆けとなる作品がこの章で紹介されている。

トマス・コール<アルノ川の眺望、フィレンツェ近郊>

アメリカ的風景画の名手として人気を博したコールの作品。
この作品が最初に展示されてたのは、導入部として期待感を与えてくれる。


ジャン=バティスト=カミーユ・コロー<ヴィル=ダヴレーの牧歌的な場所――池畔の釣り人>


第2章 パリと印象派の画家たち

1874年4月、パリのカピュシーヌ大通り35番地にて、のちに「印象派」と呼ばれる画家たちによる初めての展覧会が開催されました。
クロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、カミーユ・ピサロらは、サロン(官展)への出品をやめ、自分たちで作品を展示する場をつくり出したのです。

―サイトより

この章では、フランス印象派の作品と、彼らと交流を持ち、影響を受けた、アメリカ人画家、メアリー・カサットチャイルド・ハッサムの作品などが展示されている。


カミーユ・ピサロ<ルーアンのラクロワ島>


クロード・モネ<睡蓮>(1908年)

世界で初めて美術館が購入した<睡蓮>がこの作品。
作品購入に関わる同館と画商の間で交わされた書簡(複製)等も紹介されていて、なかなか面白い。


チャイルド・ハッサム<花摘み、フランス式庭園にて>

今回の1推し作品。
モネの作品と勘違いしている方も多いとのこと。

ハッサムはボストンで成功を収めたのち、1886年からパリに留学した。
アカデミーの方針と合わず退学するが、パリでバルビゾン派印象派の作品に出合い、その新しい表現を自らの制作に採り入れてゆく。
本作に描かれるのは、ハッサムが滞仏中に夏を過ごした、パリ郊外の友人宅の庭園。木漏れ日の表現、明るい色調や瑞々しい草花を表わす大胆な筆触、非対称の構図などからは、ハッサム印象派の技法を積極的に学んだことがよくわかる。

―サイトより


第3章 国際的な広がり

パリを訪れ、印象派に触れた画家たちは、鮮やかな色彩、大胆な筆触、同時代の都市生活の主題などを特徴とする、新しい絵画の様式を自国へ持ち帰ります。
印象派の衝撃は急速に各地へ広がりますが、多くはフランス印象派に固執するものではなく、各地で独自に展開してゆきます。

サイトより

 

アンデシュ・レオナード・ソーン<オパール>

スウェーデンの国民的画家とのこと。
ルノワールの影響があるなあ、と思わせる、美しい作品だけど、胸出す必要があるかな?ちょっと違和感も。


第4章 アメリカの印象派

1880年代半ばになると、アメリカの画商や収集家はヨーロッパの印象派に熱い視線を送るようになります。
多くのアメリカの画家がヨーロッパに渡り、印象派の様式を現地で学びました。いち早くそれを自らの制作に採り入れたウィリアム・メリット・チェイスチャイルド・ハッサムは、アメリカに戻ると画家仲間や学生たちにも新しい絵画表現を広めました。
アメリカにおける印象派は、それぞれの画家の独自の解釈を交えて広がってゆき、地域ごとに少しずつ異なる様相を見せます。フランス印象派に忠実にあろうとする画家がいる一方、その様式にアレンジをくわえ、アメリカらしい田園風景や家庭内の情景を捉えようとする画家たちも登場しました。

―サイトより


ジョゼフ・H・グリーンウッド<リンゴ園>

明るい気分にさせてくれる風景画。


チャイルド・ハッサム<コロンバス大通り、雨の日>

1883年、パリを訪れたハッサムは初めて印象派の作品に触れ、帰国後はボストンを拠点にその経験を生かしていった。雨の大通りを舞台にした本作には、遠景のかすむ街の空気や、つややかな舗道の光が美しく表現されている。ハッサムは都市を行き交う人々の動きに高い関心をもち、こうした大通りの情景を繰り返し描いた。

―サイトより

第2章で紹介した作品とはまた違う魅力にあふれる作品。

第5章 まだ見ぬ景色を求めて

フランスのポスト印象派やドイツの画家たちの作品の展示。

アメリカでは、トーナリズム(色調主義)の風景画が人気を博します。
南北戦争の混乱がつづくなか、目に見えないものの表現を重視し、落ち着いた色調で描かれるこうした風景は、人々の心の安らぎとなりました。

―サイトより
フランク・ウェストン・ベンソン<ナタリー>
デウィット・パーシャル<ハーミット・クリーク・キャニオン>


最後に数分のビデオがあって、ウスター美術館の紹介があった。
今回の展示から、印象派関係が多いのかと想像したが、実は、古代から現代まで、「百科事典的な美術館」とのこと。
別の企画でまた「ウスター美術館」作品を紹介してほしいなあ、と思った。

お土産売り場も楽しいが、散在しないように気を付けて、マグネットと一筆箋だけ購入。
一筆箋も一生分くらいあるんだけど(笑)

途中にあった撮影場所。



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