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ストーンヘンジ

昔はピクニックもできたらしいストーンヘンジ。今は保護の為、通常の券では石の間を歩けない。そこで、一般入場時間の前後に、1時間30人限定でストーンサークル(環状列石)を歩き回れるチケットを購入した。値段は高めだが、遺跡や歴史的建築等の維持費に生かされるらしい。遥々訪問される方は、早めに「ストーンサークルエクスピリエンス」チケットの予約をお勧めする。

30人のグループで、ビジターセンターからバスでストーンサークルへ。知識豊富なガイドさんと一緒に。沢山の羊が寛ぎ、ウサギ一家がぴょんぴょん飛び回る草原を行く。

降りて直ぐ、写真で見慣れた風景が見えてくる。1時間のチケットなので即向かいたいが、バス好きな幼児がいつもの如くバスが見えなくなるまで見送ってからしか歩きたがらない。ここで機嫌を損ねては台無しなので、バスが遠くに消えるまで辛抱強く見送ってから、急いで他の人たちに追いつく。

通常のチケットで見られるのは多分この距離から

近くでみると、やはり壮大だ。普段石があれば乗りたい蹴りたい子に、「石はどれも踏んじゃだめだよ!」と度々注意しながら見回す。オーディオガイドもダウンロードしたが、ちいさな子連れで聞く余裕無し。行く前に聴いておくべきだった。でも、ガイドさんがいろいろ説明してくれた。

折角なのでできるだけ無心になって観る時間も大切にしたい。美術館でも、読むより観ることを優先するように。ガイドさんの話を囲む人達や家族を離れ、束の間ひとりで歩くと、神聖な雰囲気を味わえた。巨大な石を観ながら一瞬の瞑想。私は旅行時など、数分でも集中してその場所を味わう。何故なら、マインドフルな時間はその時にその場を満喫できるだけでなく、記憶にも長く残るからだ。おかげで今書きながらも、その時の景色や感覚が鮮明に蘇る。雨上がりの朝の澄んだ空気や優しい日の光が新鮮だ。上に乗る石の凹を直立した石の凸にはめて安定させている。その凸凹の隙間を、小枝を咥えた穏やかそうなカラス達が巣作りに使っている。高い石の上にとまっているカラスのカップルが羨ましい。毎日こんな場所で朝日を浴びているのだろうか。

ストーンヘンジがおうち
石がカラフルなのは苔などいろんな生物が住むからだとか。
顔?

1時間後に同じバスで帰ってきた人達はみんな満たされた笑顔だ。人生の半分イギリスに住んでいながら、面倒くさがりで初のストーンヘンジ。「5歳以下は無料」に釣られ、寒すぎない季節にと急いで来たが、予想以上に是非また訪れたいと思う体験だった。ガイドさんの説明を聞いて真剣に観ていた長男はもとより、無料で体験させて貰った次男も両手を最大限に広げて「こんなに楽しかった」と言う。

ポジティブなエネルギーを感じるのは気のせいだろうか。4-5千年の歴史からだろうか。それとも、巨大なストーンのパワーだろうか。

丸く並ぶストーンサークル

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