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実に賑やかな庭

 *本エッセイは、昨年秋頃に書き綴った作品です 

 私が住んでいるマンション一階の裏庭には様々な植物や動物がいる。
 植物で言えば、柿の木、柚子の木、アジサイ、サクラの木、ミカンの木、椿の木、もみじの木、などなど、それらすべては鉢植えである。
 動物は、ヒキガエル、金魚、メダカ、二ホンイモリなどだ。
 時にはタヌキがくる。野良猫もくる。隣の住人が猫好きのようで、毎日のように野良猫が代わるがわるやってくるようだ。野良猫三匹までは確認した。

 裏庭と言ってもマンションの一階に住んでいるため、裏庭を占有共用として月々多少の使用料を支払って使わせていただいている。
 我が家の使用区分の端、昔使っていた受水槽のコンクリート架台がデンと居座り、土間は半分しかない。
 裏隣りの家との境につつじの木が植わり場所を取っていた。

 転勤ごとに鉢植えの種から育てた柿の植木がある。それと柚子の鉢植えもある。数年前つつじの木を五本ほど伐採してしまった。他に地植えの幹太さニ十センチほどのもみじの木があった。それもマンションの大規模改修時、業者に伐採してもらった。

 当マンションは、『花木は地植え禁止』となっており、あくまでも鉢植えが基本のようだ。幸いなるかな隣の住人に茶菓子を持参で、隣の裏庭も使用してもらっている。
 つつじを伐採した場所に柿の大鉢を置き、その周りに、小鉢を数鉢置いてほぼ完成した。
 
 最近カエルを裏庭の隅で発見した。ヒキガエルのようだが、図鑑を調べてもそれに間違いがないか自信がない。
 先日スーパーマーケットで魚肉ソーセージを買い、その一本を細かく砕き、カエルのいそうな場所に置いた。
 多少大きく切ってしまったのか、あまり食べていない。次回はもう少し切り刻んだソーセージにしようと思う。気になるのが、そのカエルが鳴き声の一つも発しないのだ。多分小さな鳴き声だろう。

 以前ホームセンターから買ってきたメダカの中にイモリの幼虫が入っていた。そのイモリだが一向に大きくならない。成長するまで相当な時間がかかるかも知れない。

 柿の木は隔年で実がなるようだ。(間違っていたら詫びます)
 柿の木といえども実を付けることは相当なエネルギーを要するかもしれない。実を付けた翌年は小休止するのだろう。肥料を定期的に施せば違うかもしれないが。一鉢で柿の実が三十個ほど採れる。
 接ぎ木をしていないので渋柿だ。秋に収穫して、柿の実のヘタに焼酎を塗り込みリンゴの切れ端と一緒にビニール袋に入れ、密封して、三日ほど置く。すると渋みが取れ、誠に甘く美味である。

 柚子は肥料不足からか、小粒の実がなる。その数たるや多い。
 昨年買い求めたミカンは今年一個の実しかつけていない。それもいつポロリと落ちてしまうか不安である。
 (おわり)


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