自己承認と他者承認
ここのところ「自己肯定感」についてお話していますが、今日はこれに伴って「承認欲求」についてお話しようと思います。
承認欲求(尊厳欲求とも言います)とは、人が生きる上で持っている5つの基本的欲求の一つです。
この承認欲求って2つに分かれるんですよ、というと「知りませんでした」という方って結構多いんです。
承認欲求は「自己承認」と「他者承認」に分かれます。
自己承認とは「自らが『自分』を認める」モノで、自己肯定感と同じようなものになります。
他者承認とは「他人から認められる」モノで、自己承認と対になるモノです。
自己肯定感の反対は自己否定感、とお伝えしましたけど、これらは『自分の中』で起こることに対して、自己承認と他者承認は『自分』と『他人』によってその欲求が満たされるということになります。
他者承認とは「頑張ってるね」「すごいじゃない」「出来るじゃない」と、自分の言動や行動などに対して他者から認めてもらうことによって満たされるモノです。
子育てにおいて「子供を褒めましょう」というのがまさにこれに当たります。
子ども時代は「自己」と「他者」の境界があいまいなため、この自己承認と他者承認も曖昧だったりします。
子どもは親から褒められれば嬉しいですし、親から認められることで「自分はこれをやって良い」とか「これをもっと頑張ろう」と自己承認、自己肯定感が上がっていきます。
一方で親から否定されたり無視されてしまうと「これをやってはいけないんだ」「自分はダメな子なんだ」と自己否定してしまいます。
ですが承認欲求は自己承認と他者承認併せて「承認欲求」ですから、これを満たすために『他人に認められるように』と感じるようになり、自己犠牲を伴いながらも他人のために尽くしてしまうようになってしまいます。
つまりそのバランスが崩れてしまうんですね。
自己肯定感100%でもダメだし、自己否定感100%もダメだし、自己承認100%でもダメだし、他者承認100%でもダメなんです。
それぞれが半々くらいのバランスを保てるのが良いんですね。
まず「自分」を基本に置けるようにして、今の自分をそのまま受け入れる、つまり「存在していて良い」と感じているようになる。
その「今の自分」は出来ることもあるし、出来ない事もある。
得意もあれば不得意もある、
好きもあれば苦手もある。
それが「今の自分」であり、それで良いと感じていることが大切になります。
そしてこれは自分以外の人たちも同じで、自分が得意なことでそれが不得意な人を助けてあげる。
自分に出来ない事を、出来る人に手伝ってもらう。
こうしていくと自己承認、他者承認のバランスが取れます。
引いてはそれが自己肯定感と自己否定感のバランスにもつながる。
そんな風に考えられると「自分を大切に」とか「ありのままの自分をそのまま受け入れる」という言葉の意味も少しお分かりいただけると思います。
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