自分を知られたくない
人間関係のお悩みについてカウンセリングを受けに来られる方の多くは、このような想いに縛られています。
「自分」を知られたくない
このような想いについてお話を聴いていくと、実は自分でも「自分」がよく分からない、というところに行き着くことが多いんです。
自分が何をしたいのか分からない、自分がどうなりたいのかも分からない。
自分が今、何を考えてどんな想いを持っていて、どんな感情で居るのかもよく分からない。
自分がよく分からないために、何を伝えたら良いのかも分からないため、知らせるべき自分がそこにいないわけです。
けどそんな自分を知られるのは恥ずかしいとか、つらいという想いはそこにあるため、自分を知られることを嫌うんですね。
それでも人とは何らかの関係性を持たなければならないため、相手の求めている(と思い込んでいる)自分になりすまし、相手の期待に応えようとする「自分」を演じてしまい、そこでも相手を欺いているということに気付くことで罪悪感を感じてしまい、自己否定感を強めてしまいます。
そんな「自分」を知られるのはやはり相手から嫌われてしまうと考え、そういう自分を隠そうとして余計に自分を飾り立てたり、偽ったりしてしまいがちです。
このような想いが重なっての人間関係ですから、上手く行くわけもありませんし長続きもしない、ということを繰り返してしまいます。
もう少し詳しく言えば、初めましての相手やそれに近い程度の付き合いの相手とは非常にスムーズなコミュニケーションが取れます。
これは相手が望むことを察知する能力が高いからです。
ですがそのメッキはいつか剥がれてしまい、相手から「何を考えているか分からない人」とか「八方美人」と見られてしまうと、そこで関係は終わってしまいます。
何でそんなことになっているのか?
これは子供の頃に周囲のオトナ達の顔色を窺わなければならなかった環境にいたから、ということがあるはずです。
誰でも子供の頃にはなりたい自分とか、やりたいこと、欲しいモノ、行きたい場所…必ずあったんです。
けどそれらを否定されたり無視されたりしてきた結果、それを想像したり考えるのは空しいこと、悲しいこと、寂しいことになってしまい、考えること、想像することを止めてしまいます。
考えなくなるということは「自分」を表現する要素が無くなってしまうため、もうその頃には「自分」が分からなくなっています。
逆に周囲にいるオトナ達に気に入られるため、怒られないように、否定されないように、無視されないようにということばかりを頑張ってしまうため、一層「自分」を振り返らなくなり、けど相手が望むことを察するのは得意になってしまう訳です。
まず自分は何が好きで何が嫌いで、何が得意で何が不得意なのか、目に見えているところから「自分」を見直してみると、そこから「自分」が少しづつ見えてくるようになります。
そこから自分の興味・関心がどこにあるのかを見つけていくとそれらは「伝えられる自分」となり、それを知らせて行けたら良い人間関係が築けるようになります。
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須藤 勝則
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