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【読書感想文】 七つの会議

本日は、『七つの会議』(池井戸潤 著)をご紹介します。

大手企業の子会社である中堅メーカーと取引先で繰り広げられる不正と正義の8編からなる企業小説。 

読み進めていくうちに、自分もとんでもない企業の闇に足を踏み入れている感覚がしてきて、後戻りできない恐怖に身震いしました。

でも、最初は点だったものが、次第に線になり、どんどん想像を超えた結末に向かっていく様はスピード感があって面白かったです。

しかしながら、8編すべて主人公が違っていて、それぞれの家族関係や生い立ち、事情、心情が描かれていることによって、そこに居るのは悪人ではなく、人間であると思い知らされました。

人間の弱さが罪を生み出したと思うと切ない気持ちになりますが、その弱さに呑み込まれ、裏切った瞬間、その人は加害者になったと言わざるを得ません。

それに対して、損な役回りになろうとも、正義を貫き、果敢に真実を追求し、会社を再生させようと動くこの物語の真の主人公がとても格好良かったです。

社会に出て仕事をする上で、何が一番大切なのかを改めて考えさせられる作品でした。

P.S.

野村萬斎さん主演の映画も面白かったです。

ドーナツが食べたくなりました。

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