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マーケティングの基礎の基礎と口コミマーケティング

マーケティングの基礎の基礎

 マーケティングを勉強する人が恐らく最初に勉強するであろう、「STP」というものがあります。

『STPの基本的な考え方』
筆者作成

 例えば、20代女性、30代女性、40代女性・・・というまとまりの中から、会社の製品やサービスの主要顧客を30代女性に決めた場合、それに沿って自社のマーケティングの戦略を立てる必要があるということです。

 その際に、マーケティングの重要な4つの要素である、4Pについて考えるというのが、基本的なマーケティングの考え方です。

『マーケティングの4P』
筆者作成

ターゲットに合わせた広告戦略

 当然のことながら、ターゲットがあって4Pの検討を行うのですが、これが結構ずれている場合が見受けられます。
 
 例えば、Promotion(広告)を例にとりましょう。

 高校生を対象としているサービスの広告を新聞に出したら、それはターゲットとする高校生に届くでしょうか?

 ほとんどの高校生がスマートフォンやタブレット、PCを所持し、各種デバイスで情報を得るこの時代に、高校生が新聞から情報を得て、購買意欲を掻き立てられ、購買意思を決定することはほぼないでしょう。

 実際のデータでも、高校生における新聞の接触率は1%程度となっています。

『性年代別メディア総接触時間の構成比』
博報堂DYメディアパートナーズ 「メディア定点調査2022」時系列分析から引用

 新聞広告がダメと言っているわけではありません。
 例えば高齢者向けのサービスや製品、あるいはスーパーの特売品みたいなものは、SNSより、新聞や折込チラシの方が有効です。
 メディアとしての信頼度という意味で、新聞が効果的な場合もあります。

『ウィズコロナにおけるデジタル活用の実態と利用者意識の変化に関する調査研究』
総務省HPから引用

『「信頼できる」については、新聞(61.2%)、テレビ(53.8%)、ラジオ(50.9%)の順に多く、マスメディアに対する信頼性が高い。』

出典は同上

 つまり、効果的な広告とは、ターゲットに合わせた広告媒体を選択することなのです。これを間違えると効果が薄く、お金のムダとなってしまいます。

 同じターゲットでも、時代が変われば、効果的な広告媒体は変わります。
 
 また、当然、すべてのセグメントに有効な広告というものもありません。
 SNSひとつをとっても、Twitter、Facebook、Instagramでは主要な利用層や目的が異なります。 

 広告宣伝費を有効に活用したいのであれば、自分たちのSTPをもう一度見つめなおし、適切な広告媒体を考えてみましょう。


口コミマーケティングの重要性

 インターネットに誰でもいつでもアクセスし、様々な情報を得られる時代です。また、SNSによって、誰もが情報を発信できる時代となりました。

 このような時代において、効果的な広告の一つが「口コミマーケティング」です。

 「リアルな声」である「口コミ」が、消費者の購買行動に大きな影響を与え、購入を決定するための重要な要因となってきました。

 「企業側の一方的な発信」ではなく、ユーザーの視点から、良い点だけでなく、悪い点も知ることができるため、自分にとっての価値判断がしやすいためです。

 そのため、いかに口コミを促進していくかという「口コミマーケティング」に多くの企業が取り組んできています。口コミマーケティングは、広告宣伝費用が少なく、効果も高いことから、コスパが高いといえます。

『口コミマーケティングの構図』
筆者作成

 口コミマーケティングは、SNSなどでバズらせることで、あえて口コミを起こさせる「バズマーケティング」と、熱狂的なファン(ロイヤルカスタマー)を作ることで、自発的な口コミを促す「ファンマーケティング」(バイラルマーケティング)の2つに分類されます。

 よく、ファン(「アンバサダー」や「ロイヤルカスタマー」とする場合もある。)を大事にしなさいと言われるのはこういうわけです。

 実際に、売上の視点で見た場合、『パレートの法則』(2:8の法則)とも呼ばれ、2割のファンが売り上げの8割を占めると言われています。

『パレートの法則』
筆者作成

 ファンの心理をつかむためには、アンケートやインタビューといったデータ分析、ペルソナと呼ばれる架空の人物の行動を想定するカスタマージャーニー分析などの手法が挙げられます。

 また、ファンを作るためには、「承認欲求」「貢献欲求」「成長欲求」の3点を満たすための施策や各種イベントなどの実施が重要となってきます。 

 ファンになれば、売上を生むと同時に、口コミを行ってくれるため、ファンを創造し、囲い込み、増やしていくために、どのような戦略を作っていくかが、口コミマーケティングの最大のポイントとなります。


 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
 少しでも皆様のお役に立ち、新たな気づきや思うことがあると幸いです。  
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