ご注文は作曲者によるセルフ楽曲分析ですか??「0時過ぎのWonder Cocktail」のリズム篇
ご注文はうさぎですか?OVA&3期制作決定おめでとうございます。
作曲家のmochilon / 柿本論理です。「ご注文はうさぎですか??キャラクターソロシリーズ08」にてリゼ曲「0時過ぎのWonder Cocktail」の作編曲をさせていただきました。
同時期に事務所を辞めてフリーランスに戻ったため、最後に振り返って楽曲解説をしてみようと思います。
公式サイト、iTSやe-onkyoなどの配信サイトで試聴ができますので未聴の方は聴きながら照らし合わせていただたら幸いです。購入していただければフル尺が聴けます。素晴らしい!
聴いていただくとわかる通りいわゆるジャズ歌謡的な楽曲です。ジャズと歌謡曲とロカビリーとスカがごった煮になったようなサウンドですね。リズムが8分音符でとてつもなくハネています。図にするとこうです。
図:Aメロ後半のドラム
テッケテッケテッケテッケ、このやりすぎなハネたやかましいリズムがロカビリー的な要素ですね。8分音符が盛大にハネるポップスは作る機会が少なかったので非常に楽しませていただきました。Aメロやサビは盛大にハネておりますが、Bメロは少し控えめです。
図:Bメロのドラム
Bメロはアフロ(キューバン)ビート、いわゆるラテンのリズムなのですがこれはそこまでハデにスウィングしていません。「Aメロ&サビ」と「Bメロ」でリズムのハネかたが違うことが雰囲気をガラッと変えていたのですね。
こういったスウィング→アフロビートの展開をするモダンジャズの曲は非常に好きです。"Sonny Clark - Blue Minor"や"Booker Little - Opening Statement"などがそうですね。逆でアフロビート→スウィングに戻る展開だと"Stan Getz - I'll Remember April"などがあります。
ギターにも音色によるクセがあります。今回使用したのは椎名林檎氏がデビュー時から愛用しているDuesenberg Starplayer IIです。非常にテケテケしていて持つとロカビリーやサーフィン・ホットロッドがやりたくなる音をしています。
ウラを強調してスチャスチャしていますね。
昔の生演奏のジャズなんかですと「お前たちズレてないか?」というぐらい全部の楽器のハネ度が違ったりリズムがアバウトだったりします。アニソンは全部の音がピッタリ揃ったキメキメのジャンルなのでその辺りの落とし所を探るのも今回作曲していて非常に楽しいポイントでした。
というわけでリズム篇をやらせていただいたわけですが、リズム篇をやったからにはコード篇もやっていきたいと考えております。どれぐらい噛み砕いて解説するか、もしくはどれくらい早口オタクになって書き散らかしてしまうかのさじ加減に不安もありますが皆様続けてお付き合いいただけたら幸いです。お仕事のご依頼もお待ちしております!
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