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上司に退職を伝えた日。

上司に電話を掛ける時、自分の鼓動が大きく聞こえた。
怖かった。


電話音。ドキドキドキ。



もち「急な話で申し訳ないのですが、4月末で退職させていただきたいです」
上司「えーっ?!異動する人や産休に入る人、辞める人もいるのにこのタイミング?」
もち「大変申し訳ございません」
上司「急すぎない?あなたが私の立場だったらどう思うの?もっと周りのこと考えて」
もち「大変申し訳ございません」
上司「なんで辞めたいの?」
もち「今の職場ではやれることやったかなと思いまして」
上司「そうかなぁ、他にもできることあると思うけど」
もち「まぁ、優秀な人がたくさんいて上が詰まってますし...」
上司「キャリアプランは?」
もち「○○をやりたいと思っています、○○のお仕事のお話を頂いています」
上司「それなら今の会社でも出来るし、そんな経験でその仕事務まらないよ。そんなに甘くない。さすがに急すぎるし、もうちょっと考え直してみて。早急に会議設定して」

あぁ、引き留めってこういうことなのか、と思った。
面接より退職交渉の方が面倒、とはこのことかと。
思わずその場でエージェントさんに電話してしまった。退職交渉で心が折れる人がたくさんいるのはそれか、と。こりゃ面接よりもっと大変だわ。

夕方、再度上司と電話。
もち「先程は大変申し訳ございません。本来であればもっと前に、対面で言うべきですのに申し訳ありません」
上司「大丈夫よ、転職活動してたの?いつ内定でたの?」
もち「△△のプロジェクトが一区切りついたら環境を変えてもいいかなと思っていました。年末辺りからちょっとだけ活動してましたが、まさかこんなに早く終わると思わず、先週内定出ました。もっと上に行きたいという気持ちはありつつ、なかなかそれが今の環境で叶えられなさそうで、本当は今の環境でももっと頑張りたいし、自分の体がもう一つあればと思って、職場には優しい人がたくさんいて本当にお世話になっていて感謝の気持ちだらけです」
上司「そしたら休み取れるように、調整しようか。前向き転職なら寂しいけど背中を押すしかない」

良かった。上司が愛のある人で、理解のある人で本当に助かった。何度この上司に助けられたことか。
上司は尊敬できる先輩の一人で、愛と情熱を持っていて、この人のために頑張ろうと思える存在。私もそんな風になりたいと思っている存在。外勤についてきてくれて、「□□プロジェクトを頑張る!」と書かれたスケジュール帳を見せてくれた人。それを見て、この人について行こう、と思わせてくれた存在。

決断とはこんなに辛くて、苦しいものなのかと痛感した1日だった。上司と電話しながら涙が止まらなかった。申し訳ないという気持ちでいっぱいで。離れたくないという気持ちがいっぱいで。
仕事もプライベートも全部取りしようと思ったら本当に体も時間も足りない。なんで自分の体は1つしかないの...。
職場の人間関係や仕事内容に不満があるわけじゃなくて、むしろ本当に恵まれていて楽しく仕事をさせてもらっている中で、前向き退職って本当に本当に後ろ髪引かれるなぁと痛感した。

上司に、もっと成長してきます!って言ったから、頑張らなきゃな。今の職場を離れて挑戦してよかった!と胸を張って言えるように。

オフィスを出てから、涙が止まらなくて。
ふと、研究室の時を思い出した。
あの頃、研究がうまく行かなくて、何回研究室から泣きながら帰ったことか。実験室でも助教室でも泣いてた。M2の12月に、教授室で教授の目の前で、「もう頑張れません」って号泣したこともあった。社会人になったら、トイレに籠もって泣くんじゃないかって思うほどに。
カルテットというドラマで、「泣きながら飯を食べたことがある人は生きていけます」っていうセリフがあったけれど、私に言わせれば、「泣きながら帰宅したことがある人は生きていけます」

今は辛くて悲しくて涙が止まらなくても、振り返ったときに、あんなこともあったよね、って思えたら。

ここまで大好きな組織にいさせてくれた人々への感謝を胸に、新天地へ羽ばたく準備をしようと思う。

転職活動の内容は別の記事にしようと思います。
心が引き裂かれる思いをした1日でした。

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