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超繊細なわたしが海外移住するということ(後編)

こんにちは、Mochiです。今回は、実際に海外に移住してみた体験談をつづってみたいと思います。なお今回はあくまで、「繊細な人が海外移住して考えていること」という視点で記事を書いています。ご了承ください。

海外へのあこがれ

前編でも書きましたが、思い起こせば幼少期には既に「外国へのあこがれ」があったように思います。父は外資系の会社に勤めており、英語を使って仕事をしていました。幼少期から「世界の裏側と仕事をするすばらしさ、感動」を刷り込まれていたので、おのずとその路線を走ることになります。

と、言うとかっこいいですが、私は英語は中の上くらいです。現在も勉強中です。大学の学部を決める際に、本当は音楽系に行きたかったのを親になだめられ、某ヨーロッパ言語の学部に進みます。

学生時代に留学のチャンスもあったのに、当時は学業に加えてバイトとオーケストラに所属していて、留学はしませんでした。社会人になってから、そのことを深く後悔することになります。大学名と学部を言う度に「ぺらぺらなの?」「当然留学したんでしょう?」という質問を受けるようになるからです。

アラサー海外移住の決意

27歳の時、直属の先輩がオーストラリアにワーホリに行くという理由で退職しました。それを間近で見ていた私は、「やっぱり私も行かなきゃ!」と決意します。ご存じの通り、ワーホリビザは申請できる年齢の区切りがあります。私が申請したのは28歳の時でしたから、遅めの申請だったと思います。

親には「1年で帰ってくるから」と言って出てきたものの、到着してみると何もかも勝手が違い、特に役所の手続きや家探しなどに時間がかかって、とても1年では満足のいく結果を残すことができませんでした。

資金をたくさん用意していったつもりでしたが、1年収入なしは厳しいと思い、某日系企業で事務のアシスタントのバイトをさせてもらえることになりました。

「就労ビザに切り替える気持ちはあるか」と聞かれ、就労ビザへの切り替えを決意した矢先、この会社が提示した労働契約書では労働許可が下りないことを知ります。気持ちはすでに後2-3年は住み続けることで固まっているのに、ビザがないのでは話になりません。

その後就活をしましたが惨敗。結局ジャパレスでビザを下ろしてもらい、その後一度転職して今に至ります。

繊細な人が外国で暮らすとこうなる

結論から言えば私は今の生活をとても気に入っています。今の会社は日本とは全く関係のない会社で、すごくインターナショナルな同僚たち(12か国)に囲まれて仕事をしています。

一見ストレスが多そうですが、実は日本にいたころよりはるかに楽な状態だと思います。それは、些細なことで傷付くことがあっても、「ここは日本ではなくてヨーロッパで、育ってきた国も文化も全く違う。だから、いろんな意見があってもいいのだ。」と、気持ちの処理が「文化が違うから」の一言で済ませる部分が増えたからです。

またこちらの人はお世辞をあまり言いません。「それいいね!」と言ったら、本当にいいと思っている確率は高いと思います。だから、素直に言葉通り受け取って、喜ぶことができるのです。また、スキンシップや目を見て話す文化も、私を安心させるポイントだったかもしれません。

一度、同僚から「今日は私のおごりでスタバを飲もう」と言われたことがあります。私は初め、日本式に「いやいや、いいって!私も払うから」と謙遜していたら、そのうち喧嘩になりかけました。

「私はおごるって言ったらおごるから!そういうもんだから!そういう気分なの!」と言われました。彼女がそこまで怒るとは思わずびっくりしましたが、どうやらその人は、まどろっこしいことを考える時間を「もったいない」と感じたようです。これは一例に過ぎませんが、日本式に一歩ひいたつもりでコミュニケーションをとっていて、怒られた経験が他にも何度かあります。

「人と場所によってコミュニケーションの違いはある」ということを前置きしたうえで、ヨーロッパ某国に来てから、そういった意味で「お互いの腹を探り合う時間」は減ったように思います。

上記の彼女の理由なきおごりも、日本にいた頃は「色々裏が透けて見える! どうやって返事したら正解なんだろう。」と考えるところ、今は「彼女は今、奢りたい気分なんだ。なにかいいことでもあったのかな。」と、彼らの性分がわかっている故に、頭の中での処理がスムーズです。(その後、次の機会には私がおごりました。)

不思議なことに、私は日本語以外の言葉を話すとき、性格が変わります。少し強気な自分になるのです。それは、私のボキャブラリーに限りがあるから、という原因もあるかもしれませんが、一方で、「お互い偽りなくストレートにものを言う」という文化は、「公平さ」を感じることができて、安心してコミュニケーションが取れるのです。

もし日本で空気を読みすぎて疲れてしまった人がいたら、もしかすると外国の文化にはピタっとはまるかもしれません。

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お読みいただきありがとうございました:)今回は海外移住への道筋と気持ちの変化をかなりざっくり書いてみました。いつかもう少し詳しい移住の記事も書いてみたいと思います。Mochi


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