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ユニコーン。

名前を、忘れてしまった人もいるし
ふと見えた誓いが、くすんでみえる時もある
今年の冬は、ヘンな缶飲料が増えたし
去年とは違う雰囲気のコートが流行ってる

どこかで会ったような気がする
夢の中だったのかもしれない
空気を揺らさない限りは
靴を脱いでも、敷居を跨ぐことはできないから

それでも時たま
顳顬あたりがピンと刺激され
繋がるはずもなかった糸を
一瞬で手繰り寄せあうことがある


目覚めて街を歩いていても
頭の中はユニコーン柄の空想世界

足の裏がスイッチになる
一歩進むたび、世界が切り替わる
鋭敏で拙く、手に負えない熱を放つ
ただ扱いにくい厄介者

それでも
岩漿のように溢れ出て
冷やされ固まり地を作るなら
積み重ならない、なんて生き急ぐこともないか
いや、もうすでに、
裾野はかなり広がっているんじゃないだろうか


これでリアルを生きてるのだから
真正面から電柱にぶつかることも
唐突な昆虫の登場に飛び上がることも
別におかしなことじゃない


この目に映る世界が
誰かに覗かれる瞬間を
怯えながらも、待ち望んでる。

#詩  #エッセイ #空想 #妄想 #ユニコーン #散歩
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