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『異なる年齢の七人の女性』
監督:クシシュトフ・キェシロフスキ
それぞれがそれぞれの人生とダブっているようで、でも踊っている彼女たちの身体性はその人にしか出せないものなわけで、赤の愛や偶然に近い運命論的なもの
個人と全体のせめぎ合いはポーランド的というかキェシロフスキ的というか映画的というか
衰えた老女はもはや踊ることすらできない
『Iluminacja』
監督:クシシュトフ・ザヌーシ
現在から未来を見るということ。一瞬挟まれる未来の動乱の映像。未来が決まっているが、映画は悲壮感を漂わせずに、ある男の十年間を駆け足で探っていく。映画全体が走馬灯のようでもあり、この映画はむしろあの未来から主人公が見た過去だったのかもしれない。離婚した後主人公が部屋に戻ってきたときの妻とのやりとりが情動的で、カサヴェテスみたいだった。細かい専門用語は英語字幕だったので
『灰とダイヤモンド』
監督:アンジェイ・ワイド
評判に違わぬ名作だった。昨日観た『シナのルーレット』のダラダラカメラ動かすのが嫌いだったんけど、この映画はとんでもない。書記長の死体から高速ティルトで花火上がるのは笑うしかないし、アンジェイとマチェクの訣別シーンでは、「アンジェイ!」の叫び声を号砲に高速パンで対角線状の構図を一発で映して見せる。的確でキレのあるカメラに感動した。物語もポーランドロマン主義のジレンマという
『スティル・アライヴ』
監督:クシシュトフ・キエシロフスキ
『デカローグ』製作までの流れがかなり違った。満を持して、かと思いきや、『偶然』、『終わりなし』で国内からの批判に疲れて十戒に立ち返ったという流れなのか。『ふたりのベロニカ』ももう一回見てみたくなった。スチュエル同様に平穏を求めていた監督自身の姿に驚いた。ザヌーシからジャコブまで出演者も豪華なので見る価値はある。ビノシュはもちろん、シャポロフスカさんがとても綺麗
『フォトグラフ』と『初恋』、『地下道』
監督:クシシュトフ・キエシロフスキ
『フォトグラフ』はドキュメンタリーなんだけど割と編集されている感じがした。切り返しショットもあるし、音声も後付けのところがある。一枚の写真から浮かび上がる社会と人間。夫の昔話のところが一番好き。
『初恋』は初期ケン・ローチっぽい。というか本人が敬愛していた気がする。たまに演者がカメラの方を見てしまっていた。そっけないのに出産シーンはエモーショナル。産まれたての