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大学院での日々

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大学院(博士課程)での日々について書いた記事をまとめています。
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#大学院

博士課程に進学した理由を、改めて考えてみて

「あさぎさんは、どうして博士課程に進学したんですか」 最近、学部生や修士生と話をする機会…

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問いをたてることの難しさ ーー理想を前に立ちすくむなかれ

問いーー明確で考えるに値すべき問いである「リサーチ・クエスチョン」をたてることの難しさを…

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問いをたてることの難しさ ーー知りたいことはあるけれど

私を含む、大学院生や研究者は「何か新しいことを見つける」がお仕事だ。 これが、難しい。 …

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数学や統計学の先に正しさがあると思っていた(3・終):目指す先は真理ではなく

数学や統計学の先に正しさがあると思っていた(1)と(2)の続きです。続きですが、単品でも…

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数学や統計学の先に正しさがあると思っていた(2):”絶対的な正しさ”という神を失…

数学や統計学の先に正しさがあると思っていた(1):正しさって、なんだ の続きです。続きで…

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数学や統計学の先に正しさがあると思っていた(1):正しさって、なんだ

ずっと、数学が大嫌いだった。 小学校では分数でしっかりつまずいた。中学校では、あまりに数…

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大学院という場所と、愉快な仲間たち

「大学院の魅力ってなんですか」 そう、大学院進学に悩む学部生に聞かれた。ひとしきり真面目に答えたところで、思い出したように付け加える。 「あとね、いい意味で動物園的な面白さがあるよ」 「動物園?」 「うん。面白い人たちがいっぱいいる。っていうか、面白い人・変な人しかいない」 *** 私の通う大学の、この研究科だけの話かもしれないけれど、学生も先生方もみんなどこか変わっている。ただし、私は例外的に、普通の人間だと思っている。(逆に普通すぎて大学院の中では一番の変わり

”ケジメ”という言葉からみる社会と、言葉の移ろいについて

「今日さ、李さんに『ケジメって何?』って聞かれたよ」 と、学校からの帰り道、恋人が話し出…

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頭のいい人ほど、無邪気だ

ノックの音が聞こえ、先輩が扉を開けると、向かいの研究室の先輩が顔をのぞかせた。またきっと…

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きっとこういうもやもやを抱えながら、何かになっていくのだろう

どうやら風邪をひいたようだ。 頭が重く、喉も痛い。朝方は微熱まであったので、大人しく昼過…

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祭りとラムネと静かな構内

どこかで聞き覚えのある曲が響く中、神輿を担ぐ声と笛の音が聞こえる。小さな街が人でごった返…

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失敗の中の小さな発見

窓の外が、ぼんやりと明るくなり始め、鳥のさえずりが聞こえる。朝の弱い私が早朝の景色を見れ…

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「好きなことをしている人が許せない母」に、私はなんと言えばよかったのだろう

修士2年目のお正月。修士論文の提出が間近に迫る中、「博士課程進学したら授業料免除の申請を…

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指導教官と学生

コンコンッとノックをする。 「はーい」と部屋の中から、もう慣れ親しんだ声が聞こえる。 「失礼します」と中に入ると、鳴り響いていた英語のラジオの音が止み、パーテションで仕切られた奥の方からガサゴソと音を立て、こちらへ顔を出す。 「で、どうですか」と進捗を尋ねてくる。 私は、指導教官が大好きだ。大学院の世界で、一番尊敬している。とはいえ、この2週間から1ヶ月に一度の面談の際は、いつも緊張する。進捗は芳しくないことばかりだからだ。 毎回毎回「あまりうまくいっていなくて……」を繰