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最近読んだ本の話 vol.12

 「最近読んだ本の話」の第12弾です。こんなに続けられるとは、嬉しい限りです。最近は、毎日追い立てられるかのように本を読む日々。いや、でもそうじゃなければ読めない気がしてきました。このnoteを書くという目的のために本を読む、それ以外に方法はない。今週も3冊ご紹介します。


1、会田 誠『げいさい』

まさに鬼才。
過激に、独創的に、第一線を走り続けてきた現代美術家、会田誠。
その活躍は、いまホットな美術界だけにとどまりません。
「とにかく信じられないくらい文章がうまい。ほれぼれしちゃう」と、吉本ばななに言わしめたエッセイ。高橋源一郎、斎藤美奈子らが激賞した処女小説『青春と変態』。そんな会田誠が、最初の構想より30年以上、執筆に4年の歳月を費やした長編小説です。
1986年11月。新潟・佐渡の田舎から上京してきた美術予備校生の主人公は、多摩美術大学の学園祭(通称「げいさい」)に出かけ、そこで濃密な一夜を体験します。
昭和終盤、主人公らが目指す東京芸大入試はまさに最難関かつ過激、でした。当時を、当事者である筆者が小説の形式で描いた本作は、そのまま現代日本美術界への真摯な問いををはらんでいる、とも思われます。
この4年間、フォロー数約10万のツイッターでも、たびたび本作については言及されてきました。そんなファンだけでなく、各界の著名人も待ちわびた待望、渾身の一作です。                                            -Amazonnより引用-

 会田 誠さんの小説、読んでみたい!と思い、手に取りました。1986年11月に多摩美術大学で行われた学園祭でのできごとの会田さんの思い出が小説として描かれています。美術がお好きな方におすすめです。面白いです。1986年頃の美術の話が満載で、会田さんがどんなふうに美術に取り組んでこられたのかが書かれています。主人公は学園祭に遊びに来ているのですが、過去の回想もまじえて物語は進んでいきます。すごい才能だ。


2、滝口 悠生『死んでいない者』

ある秋の日、大往生を遂げた男の通夜に親戚たちが集った。
子、孫、ひ孫三十人あまり。
縁者同士の一夜の何気ないふるまいが、死と生をめぐる一人一人の思考と記憶を呼び起こし、
重なり合う生の断片の中から、永遠の時間が現出する。
「傑作」と評された第154回芥川賞受賞作に、単行本未収録作「夜曲」を加える。                                                                             -Amazonnより引用-

 この作品は、滝口 悠生さんの芥川賞受賞作で、読んでみたいと思っていました。物語はお通夜の晩に親戚一同が集まった場面を描いています。登場人物の人数がとても多くて、なかなか覚えるのが大変です。その登場人物たちがそれぞれの思いや家族との関係、記憶に残っているできごとの話を思い出して、一人一人丁寧に心情が描かれています。


3、米澤 穂信『巴里マカロンの謎』

「わたしたちはこれから、新しくオープンしたお店、パティスリー・コギ・アネックス・ルリコに行って新作マカロンを食べます」その店のティー&マカロンセットで注文できるマカロンは三種類。しかし小佐内さんの皿には、あるはずのない四つめのマカロンが乗っていた。誰がなぜ四つめのマカロンを置いたのか。それ以前に、四種の中で増えたマカロンはどれか。「ぼくが思うに、これは観察力が鍵になる」小鳩君は早速思考を巡らし始める……。心穏やかで無害で易きに流れる、誰にも迷惑をかけない小市民になるべく互恵関係を結んだあのふたりが帰ってきました! お待ちかねシリーズ11年ぶりの新刊、四編収録の作品集登場。                            -Amazonnより引用-

 米澤 穂信さんの新刊気になる!と思い読みました。シリーズものですが、前作を読んでいなくても楽しめます。主人公は高校生の小佐内さんと小鳩君です。謎に遭遇しがちな小佐内さんと、結局は謎解きに乗り出す小鳩君の二人は、誰にも迷惑をかけない小市民になるべく互恵関係を結んでいて、お互いに監視し合っています。面白い子たちです。物語の中には美味しそうな甘いものがたくさん出てきて、それ食べたい!と思いながら謎を追っかけます。小鳩君の謎解きはすごいです。


 今週は書けないかもしれない、と思っていましたが、なんとか書けました。今週の3冊も出会えてよかった本でした。最後までお読みくださってありがとうございました。

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