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最近読んだ本の話 vol.14

 「最近読んだ本の話」の第14弾です。なんとか毎週更新していますが、読むのが追いつかないので、必死な毎日を過ごしております。GWまであともう少し。GWは近所以外出かけられそうもないので、家にいて本を読めるかも!と期待しつつ、それまでは走り続けようと思っております。今週も3冊ご紹介します。


1、大前 粟生『おもろい以外いらんねん』

幼馴染の咲太と滝場、高校で転校してきたユウキの仲良し三人組。滝場とユウキはお笑いコンビ<馬場リッチバルコニー>を組み、27歳の今も活動中だが――。優しさの革命を起こす大躍進作。

 読みたい!と思っていたので、読めて嬉しかったです。漫才のネタってこういうふうに作るんだ、とわかって、自分も書いてみたくなりました。オチが難しいですけど…。3人の掛け合いが楽しいです。でも3人って難しいですよね。読んでいて切なくなりました。最後の方の、高校時代の思い出の公園に偶然集まるところの場面が好きです。その後どうなるのか知りたい!


2、崔 実『pray human 』

ねえ君、わたしは生きていく。このクソみたいで美しい世界を。
魂を揺るがす、少女たちのレジスタンス。
創作が芥川賞候補になったわたしは、意外な人物からの電話を受ける。17歳のとき入院した精神科で、患者たちのボスを気取っていた「安城さん」だ。8年ぶりに再会した彼女は、別人のように痩せこけ点滴に繋がれながらも、変わらず悪態をつき、わたしの封印した記憶を甦らせていく。精神病棟で出会った仲間たちとの日々、救えなかった親友、そして子供時代の傷―ー。長い沈黙を越えて、わたしは真実を語り始める。


 こんなにも書くのが難しそうな話を、書こうという思いの強さがすごいと思いました。安城さんは不思議な人で、周りの人に悪態をつき、めちゃめちゃなんだけど恐ろしいほど人のことを見抜きます。安城さんは、もしかすると余命宣告されているのかもしれないのですが、なぜか主人公を病室に呼んでいろんな話を語らせます。安城さんが最後に主人公に言った言葉を引用します。

「人間ってのは、人の話なんか時間が経てば、少しずつ忘れていくもんさ。けど、自分の話を聞いてくれた人のことは、絶対に忘れない。」


3、古谷田 奈月『無限の玄/風下の朱』

W収録! 超弩級の新星が放つ奇跡のカップリング小説集

死んでは蘇る父に戸惑う男たち、魂の健康を賭けて野球する女たち――
清新にして獰猛な赤と黒の物語はいまスパークする!

  変わっていて引き込まれるカッコいい文体です。カッコよさの秘密は何だろう?歯切れのよいストレートな言葉で、微妙な空気も描いているからだろうか。『無限の玄』と『風下の朱』の2篇が1冊になっています。『無限の玄』は、「百弦」というバンドをやって全国をまわっている家族のお話です。みんなが旅先から家に帰ると、ひとり先に帰った父・玄さんが亡くなっていました。にもかかわらず、翌日玄さんは蘇って家にいるのです。実際こんなことが起こったら大変です。毎日蘇って、毎日亡くなるなんて。蘇った玄さんが、庭でずっと探していたものが何だったのかわかった時、衝撃でした。
 『風下の朱』は、野球を愛する女の子たちのお話です。私は野球のボールを投げたことがなく、ソフトボールは学校の体育の時間に少しやったことがあるぐらいで、もっぱら観るばかりなので、野球ができるなんて夢のようなことだと思っています。この物語は「みんなで仲良く野球しよう!」とは、なかなかいかなくて、それぞれの考え方の違いがあって難しいのですが、野球できたらいいのになあ、と思いながら読みました。


 今週もなんとか読んで、書けました。今週の3冊は特に人の心の中のことが多く描かれていた印象です。自分はこんなふうに考えるだろうか?とか、自分だったらどうするかな?などと考えながら読みました。最後までお読みくださってありがとうございました。


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