見出し画像

最近読んだ本の話 vol.22

 「最近読んだ本の話」の第22弾です。梅雨だから毎日雨、というわけではなくて今週は結構晴れていたのでよかったです。今週も最近読んだ本を3冊ご紹介します。


1、ジム・トンプスン『漂泊者』

恐慌後のアメリカで、職を転々としながら出会った
風変わりな人々、巻き起こる騒動――
流浪のなかで書き続けた日々を描く自伝的小説
「文筆家としての一本立ちをめざしている点で、職業小説としての面が強く出ている。……トンプスンは自らの文才を疑うことはない。題材と掲載先さえあれば、誰にも負けないテキストを仕上げてみせる。ほかのことでは失敗つづきだが、文章に対するこの自信は小気味がいい。」牧眞司(本書解説)
                                                                 -Amazonより引用-

 この人はこんなに悲惨な状況をこんなにも面白おかしく書けるのはなぜなんだろう?と思いながら読んでいて、「思いやり」じゃないかと思い至って、そうしたら読み進んだ先に何度か「思いやり」という言葉が出てきて、やっぱりそうだった、と思いました。ジム・トンプスンさんは、周りの人への思いやりが深い。書くことへの執念もすごい。小説がいっぱい売れてよかった!と身内みたいに思ってしまう、とても魅力的な人です。


2、穂村 弘『図書館の外は嵐』

カーテンの向こうは、激しい雨と風と稲妻。
でも、平気。
だって、私はここにいる。
――穂村弘の心を捉えて離さない本たち。
「週刊文春」の好評連載「私の読書日記」3年間分を書籍化。
エッセイや評論、絵本や翻訳など幅広く活躍している、歌人・穂村弘が、
絵本、歌集や句集、名作文学に、ミステリ、SF、漫画……
幅広いジャンルから選ばれた本を丁寧に読み解きます。   -Amazonより引用-

 歌人の穂村 弘さんの読書日記です。穂村さんがお読みになった幅広いジャンルの本が紹介されています。紹介されている俳句を読んで笑ってしまった。短歌で笑ったことはあったけど、俳句も笑ったりするんだな、と新鮮に思いました。ミステリやSFもお好きのようで、たくさん紹介されています。


3、若竹 千佐子『おらおらでひとりいぐも』

24歳の秋、故郷を飛び出した桃子さん。住み込みのバイト、周造との出会いと結婚、2児を必死に育てた日々、そして夫の突然の死―。70代、いまや独り茶を啜る桃子さんに、突然ふるさとの懐かしい言葉で、内なる声たちがジャズセッションのように湧いてくる。おらはちゃんとに生ぎだべか?悲しみの果て、辿り着いた自由と賑やかな孤独。すべての人の生きる意味を問う感動のベストセラー。                                                             -Amazonより引用-

 この本知ってる!とタイトルを見て思い、手に取りました。ページを開き、東北弁に圧倒されます。主人公の70代を迎えた桃子さんが心の中で考えてきたことが延々と東北弁で描かれています。こういう話やったやんや、と意外に思ったのですが、読み進むにつれて、この気持ちわかる!と思うことに出会ったりして、引き込まれます。自分の中に生まれた問いに対してとことん突き詰めて考える主人公の思考に、私はこんなにも突き詰めて考えたことがあっただろうか⁈と焦るような気持ちが生まれます。最後の場面が好きです。お孫さんが訪ねてきて、とても嬉しそう。


 今週も書き終えることができてよかったです。なぜか任務を終えた、みたいに思ってほっとします。今日も図書館で面白そうな本を見つけました。読むのが楽しみです。最後までお読みくださってありがとうございました。

この記事が参加している募集

#最近の学び

181,438件

#雨の日をたのしく

16,345件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?