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読書の話

 「趣味は何ですか?」ともし誰かに聞かれたら、今だったら「読書」と答えるかもしれない。それ以外に空いている時間を費やしていることと言えば、「noteを書く」「音声配信」「写真投稿」どれも家族・友人・知人・職場の人に秘密にしているので、決して誰にも言ってはならない。公になっているのに秘密の場所なのだ。以前なら「美術鑑賞」「ライブに行く」「友人と飲みに行く」なども答えられたかもしれないが、今ではめったにできないことになってしまった。

 今日も図書館に行って、一期一会を楽しみながら、どの本にしようか真剣に考えて選び、本を借りた。この出会いが面白くてたまらない。自分の記憶の中にあるタイトルだったり、名前は知っているけど読んだことのない作家さんの本だったり、他の本は読んだことがあるけど新刊が出ていたり、いろんな出会いがある。

 内容はわからずに借りた本が、その直前に読んだ本と共通点があったり、この言葉を忘れてはいけない、と思う言葉と出会えたりする。それがほとんど偶然に起こっていて、ただ私が図書館で気になって借りたことがきっかけで生まれるできごとなのだ。そのワクワク感が楽しくて、毎週なんとか読み進めてまた借りようと思ってしまう。

 私がいつも行く図書館では、ジャンルごと、作家ごとに本が書架に収められているほかに、新刊コーナーとよく読まれる本コーナーがある。私はいつもその特設コーナーのような所で本を選んでいる。そうすると、面白そうだと思った本が数冊隣り合って並んでいることがある。同じ人が借りて返した本を、図書館の職員さんがその固まりのまま並べたのではないか?と思われる。だから違う作家さんの本であっても、共通する何かがあったりする。それも楽しい。どんな人が借りたのだろう?その人はその作家たちの本を読みたいと思って書架から選んだはずなのだ。どうして興味を持ったのだろう?聞く方法はない。本が好きな人なんだ、それだけはわかっている。

 読んでも読んでも忘れていってしまうんだけど、何かがたぶん残る。別の本を読みながら思い出す。たしか前に読んだ本にもそういう話が出てきた、とか。どの本も大切なことを伝えようとして書かれている。そのために1つ1つの言葉が綴られて、エピソードやできごとが組み込まれて物語が進んでいく。その言葉を選ぶために膨大な時間がかけられている。何を加えて、何を削るのか、考え込まれている。そうやって丁寧に作られた文章を読めるなんて幸せだ。今日もドキドキしながらページをめくる。

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