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最近読んだ本の話 vol.34

 「最近読んだ本の話」の第34弾です。9月に入ってだいぶ涼しくなりました。昨日、いつの間にか蝉の声が聞こえなくなっていることに気づいて驚きました。もう虫の声しか聞こえません。秋なんですね~。今週も最近読んだ本を3冊ご紹介します。


1、古内 一絵『最高のアフタヌーンティーの作り方』

老舗ホテルで働く涼音は、念願叶って憧れのマーケティング部サービス課、アフタヌーンティーチームに配属された。
喜び勇んで、アフタヌーンティーの新企画を出したものの、パティシエ・達也に「目新しければいいってもんでもないから」と冷たく却下されてしまう。
「最高のアフタヌーンティーって、一体、なんだろう」?
大人気「マカン・マラン」シリーズの古内一絵、期待の新作が登場です!
                         -Amazonより引用-

  この本を読むと「アフタヌーンティー」を今すぐ食べたくなります。読み始めてすぐにです。私はずっと憧れていましたが、まだ食べたことがないのでますます食べたくなりました。「アフタヌーンティー」の魅力が余すところなく描かれていて、美味しそうなスイーツの描写がたまらないです。
 老舗ホテルで働く物語の主人公の涼音は、念願かなってアフタヌーンティー部門の配属になるのですが、そこで起こる様々なできごとが、涼音の感情とともに丁寧に描かれています。キャリアのある女性の出産・育児問題とか、正社員と非正規社員の問題とか、外国人の就業の問題、職場で障害を公表するかどうかの問題など、様々な問題が物語の中に描かれていますが、いろんな人がいていろんな事情を抱えて働いているんだなあ、と共感する部分がたくさんありました。続きがありそうで楽しみです。


2、平野 啓一郎『考える葦』

文学とは、芸術とは、社会とは、「生きる」とは、何か――
作家生活二十年の平野啓一郎。『透明な迷宮』『マチネの終わりに』『ある男』執筆時に、作家は何を考えてきたのか。
文学、思想、美術、音楽、エンタテインメントから社会問題まで、広範なテーマに亘る六十七篇の論考を集成した、待望の最新批評・エッセイ集。

「私たちは、今日、巨大な世界との対峙を余儀なくされている。なるほど、個々には葦の一本に過ぎまいが、しかし、決して孤立した葦ではない。古今東西に亘って、たくましく繁茂し続けている一群の葦であり、宇宙を包み込むのは、その有機的に結び合った思考である。」(「後書き」より)                                            -Amazonより引用-

 平野さんが考えてらっしゃることが知りたい!と思い、この本を読みました。ご自身が書かれた小説の話、好きな小説の話、時事問題、など様々な事柄に対する考えが書かれてあり、読み応えがあります。私の理解力では、一度サーッと読んだだけでは内容が理解できない部分も多くあり、これはじっくり読みたい本だなあと思いました。あれとこれが結びつくのか!と思いもよらないことや、語られている本を読んでいなくてわからないことが多々あり、難しいけど面白い本でした。


3、ジョン・コナリー『キャクストン私設図書館』

読書好きのバージャー氏が発見した〈キャクストン私設図書館&書物保管庫〉。そこは初版本や手稿本が所蔵された図書館であり、人々に広く知れ渡ったがゆえに実体化した物語の登場人物たちの住処でもあった。アンナ・カレーニナ、シャーロック・ホームズ、ハムレットなどをめぐる事件を描いた表題作や、ダーク・ファンタジー『失われたものたちの本』のスピンオフ作品、怪奇現象をもたらす奇書『裂かれた地図書』の物語ほか、「本」にまつわる傑作短編集。                 -Amazonより引用-

 図書館の話に興味が惹かれて読んでみたくなりました。4つの短編が収録されています。1つ目の「キャクストン私設図書館は、本好きの主人公のバージャー氏が、ある日散歩中に列車に飛び込む若い女性を目撃します。警察に連絡し、捜査が行われますが何も見つからず、バージャー氏は見間違いをしたのでは?と疑われます。バージャー氏は目撃した光景を何度も思い出すうちに、それがある小説の一場面にとても似ていることに気が付きます。その後「キャクストン私設図書館」を発見するのですが、「キャクストン私設図書館」には、多くの人に読まれた小説の登場人物が実在するのです!一緒にお茶を飲みながら話したりして楽しそうですが、問題もあって…。色々な作品が登場して面白いお話でした。
 3つ目の「裂かれた地図書」は、その本を手にした人が次々に謎の死を遂げるというとても怖い物語です。場面が次々と変わり、恐怖が伝わってくるのですが、最後はええっ!という思いもよらぬ結末で、どこからどこまでが幻想だったのかもまったくわからないすごい作品でした。


 今週も「最近読んだ本の話」を書くことができました。よかったです。最近読むスピードが落ちてきて、来週の分がちょっと…。週末頑張ります!最後までお読みくださってありがとうございました。

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