見出し画像

カムカムから学ぶ、新しい家族の在り方

3世代の100年ストーリーを見せた朝ドラ「カムカムエヴリバディ」。話題になったことの一つが、主人公の父親の働き方です。主人公が子供時代の父親は定職についていない父親だったからです。

日本では1992年までは、既婚女性においては専業主婦の割合が多い状況でした。父親が働き、母親が家庭を守って経済成長を支えていたという状況です。そのような状況では、父親が家にいる、という朝ドラの設定は珍しいケースだったと言えるでしょう。
その後、父親はアラフィフ世代になってから音楽活動を再開し、活躍していきます。40代から留学をして新たなキャリアを開拓する主人公や、周囲の若者たちにも、影響を与えることができるようにも感じます。

参考:厚生労働省「専業主婦世帯と共働き世帯の推移

もう一つ、印象的だったのは親から「結婚しないの?」と言われないことです。1965年生まれの主人公が20代半ばだった1990年頃の生涯未婚率は5%程度、初婚年齢の女性の平均は25.9歳です。
メディアの影響などもあり、20代から30代にかけて結婚することが当たり前だと言われる中で、ただ子供を応援し続ける環境は、当時としては珍しかったのではないでしょうか。
また、個人の志向に寄り添って対応する姿勢は、子供達や周囲の若者たちにも影響を与えることができるようにも感じます。

参考:内閣府「生涯未婚率の推移(男女別)」「平均初婚年齢の推移


個人の状況や志向に寄り添った対応をしてくれること。主人公が子供の時代は家族を見守る存在であり、ミドルシニア世代とあってから自ら新たなキャリアへ挑戦していくこと。
当時としてはユニークな家族の在り方は、ダイバーシティ&インクルージョンにつながり、今の時代を生きる私たちの励みにもなったと感じます。