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おかえりモネから学ぶ、共生と個人の幸せの関係

今年の朝ドラ「おかえりモネ」が、ある勉強会で話題になったことがありました。主人公と周りにいる人たちが、地域と都市とそれぞれに暮らしながら、それぞれに影響し合って生きていく様子や自然の在り方が「共生」につながるということでした。

私たちの生活のヒントになりそうなエッセンスを、いくつかご紹介します。

参考:おかえりモネTwitter

誰もがやりたいことを続ける

ドラマの中では、主人公は気象予報士として、パートナーは医師として仕事を続け、それぞれがやりたいことができた時にはお互いに励まし合います。相手が転居する場所について行くわけでもなく、「私たちは、場所も次元も超えていますから」というせりふで、必ずしも一緒に居なくてもよいのではないかと新たな関係性を示すのです。

また、主人公の妹が首都圏にある大学進学を決意し、地元で働くパートナーとは別々に暮らす選択を行う場面もありました。

どちらかがどちらかのために何かをあきらめるのではないという点が印象的です。相手のやりたいことの背中を押し、自分も背中を押してもらってHAPPYな気持ちで暮らす。普段の生活の中で、この視点でも何ができるかを考えてみたいですね。

年齢を重ねてから、キャリアを再構築する

元小学校の教員であった主人公の母親が、物語の終盤では都市部の子供たちを受け入れる場を創ったことが描かれます。あることで中断していたキャリアを、周囲の人たちの後押しもあり、形を変えて再始動させているのです。

また、銀行員としてキャリアを継続していた主人公の父親が、銀行員を退職して自分の父親の事業を継ぐことを決意する場面もありました。

新たな挑戦後は、子供ようなワクワク感が伝わる表情をしていたこと印象に残りました。否定されない、機会がある、それだけで人はもう一度挑戦できるのではないでしょうか。普段の生活の中で、周囲の人に対してもそのような姿勢を持ちたいものです。

場所や時間を超えてつながるもの

主人公が気象予報士ということで、天候が変化する場面が何度も出てきます。空も海もつながっているのだけれど、普段、別々の場所に暮らすと全く異次元に生きているかのように感じてしまうことがあります。今回のドラマでは、漁業に従事する主人公の祖父が、「海に栄養をくれる」と、山に木を植える場面が出てきます。山と海のつながっていて、相互に影響を与えていることを明示してくれているのです。

近年、物理的に移動が難しいことが続きました。けれども、場所は離れていても関り続けていて、お互いに影響を与え合うことができている。そのように考えると、少し気持ちも変わってくるのではないでしょうか。


お互いに影響を与えながら生きる「共生」は、必ずしも同じ場所に居なくてもできる時代になりつつあると、教えてくれたのかもしれません。