子宮筋腫が見つかった日
2年前の2018年の8月頃、初めて子宮筋腫の存在を指摘されました。
20歳を過ぎて生理痛がどんどん重くなり、出血量にも悩まされ、月1のその週を迎えるたびに気分は絶不調。
そんなコンディションでも、私は自分の身体がごく通常であると疑わず、産婦人科に対しても “妊娠して初めて行くところ“ という、無知でお気楽なイメージを持っており、20も半ばになるまでお世話になることはありませんでした。
「タイトスカートが履けない」
― 気づけなかった最初の予兆
社会人になったばかりの頃、働いていた会社は制服支給の百貨店でした。
会社に着けば即着替えてしまう生活の繰り返しで、オフィスカジュアルを着こなす女性に憧れを持っていました。
その後のフリーター時代も、カジュアルな服ばかりを着るようになっていましたが、特定派遣という形ながらもオフィスワークへの転身を機に服を買い足し、オフィスワークに慣れた頃にはタイトスカートを好んで着るようになっていました。
2018年の5月頃、当時好きだった人から言われた言葉にひどくショックを受けました。
「太った?」
指摘された下腹部は、その人の表現を借りれば「地獄にいる餓鬼のよう」でした。
(画像資料の中央が餓鬼です)
体は痩せ型なのに、下腹部ぽっこり。
確かにその通りで、持っていた中で一番お腹周りが出やすいタイトスカートを履くと下の写真のようなシルエットになってしまっていました。
(2018年の秋頃撮影)
この頃のようにお腹が悪目立ちするようになってからは、タイトスカートが怖くなり履けなくなっていきました。
ダイエットと貧血
お腹を指摘されてすぐの頃、純粋に太ったのだと思い込んでいた私は、夏までにお腹を引っ込めて堂々と海やらプールやらへ行って見返してやろうとダイエットに躍起になっていました。
6月から7月中旬まで、食事制限とコルセットを活用し、体重は3kgダウン程度でしたがコルセットはフルクローズを達成。ぽっこりお腹と一緒に好きだった人への未練もすっかり引っ込んでいました。
8月下旬、生理痛が酷かったこともあり、地元の小さな産婦人科を受診。
すると内診前の血液検査でひどい貧血が発覚しました。
正常な基準値は11以上、10あたりが食事療法、10未満7までが鉄剤注射による治療が必要、7を切ると輸血といった基準でした。
お腹ぽっこりと子宮筋腫
その後の内診を経て、「子宮筋腫があるね。だいぶ大きいから生理も辛いだろうし、さっき分かった貧血もそのせいだよ。ふらつきとか息切れもあったでしょう。」と言われました。
(当時のエコーです。8.3cmの子宮筋腫がありました。)
「無理なダイエットのせいでフラフラなのかと思ってました〜」と何気なく口にした私にお医者さんは、
「あなた細いから本当はお腹出てないでしょう。あなたのは漿膜下筋腫といって子宮の外側についてるから下腹部が出てるんだよ」と説明をしてくれました。
まずは週1で通院して鉄剤の注射、月経困難症の治療のための低用量ピルの処方、食事も鉄分のあるものをきちんと摂取するようにとの指導のもと、子宮筋腫を意識した生活へシフトすることになりました。
診断で繋がった全てのサイン
不調に気づき、通院を経て以下のことがわかり、今までの些細な違和感が少しずつ繋がっていきました。
⚫︎ お腹が餓鬼のような不思議な膨らみ方をしていたのは、筋腫が外へ向かって肥大していたため。(漿膜下筋腫)
⚫︎ もともと重かった生理痛も子宮筋腫のため。
⚫︎ 急な貧血は太ったと思い込んで無理なダイエットをし、鉄分が不足していたため。
何も知らなかった私は自分の身体を一般的だと思い込み、不調のサインを見逃し続けて、かえって身体に負担のかかる行動をしてしまっていました。
生理のことは個人によって出血量や痛みの大きさもそれぞれで、人と比較するのも難しいと思います。
ただ、ネットや周りの人との話の中で何となくでも正常範囲内かどうかの基準を掴むこと、少しの体の変化でも見過ごさないことが大事だと思います。
私の場合は生理の量や重さの普通を知っておくべきでしたし、こういった女性特有の病気への理解が当時少しでもあれば、お腹の膨らみを体の異変のサインだと気付けたかもしれません。
(モデルの中田クルミさんのブログを読んで知りましたが、卵巣嚢腫でもお腹が膨らむようです。とても参考になる内容なので、こちらも多くの方に見見ていただきたいです。)
現在のからだのこと
発見したとき8cmだった子宮筋腫は、低用量ピルを服用しながら約1年半ほど経過観察をしたものの、2020年3月時点で10cm近くまで大きくなってしまい、現在は手術を見越して大きな病院に移って偽閉経療法をしています。
月に1度通院し、リュープリンという一時的に(4週間)卵巣の働きをストップさせる効果のある注射をしており、偽の閉経という名前の通り一般的な閉経状態となるので生理は止まりましたが、副作用として更年期症状が現れはじめています。
ホットフラッシュという急なほてり感、肩こり、頭痛など、母から聞いたことのある症状に娘である私も一緒に悩まされている不思議な現在です。
読んでくださった方々へ ― 感謝とお願い
子宮筋腫があると初めて判明した日から、もうすぐ2年が経ちます。
以前は自分のからだに対して、ただ若いという理由だけで過信しており、身近な問題になりうる病気について知ろうという意識がありませんでした。
この子宮筋腫は年齢は関係なく現れるもので、特に若い女性の場合は今後のライフプランにも少なからず影響を与えるものだと思います。
私の場合は発見時にすでに大きかったこともあり、手術は腹腔鏡手術が選べず開腹手術を勧められ、出産をする際はその傷を使った帝王切開になるとのことでした。
これまで健康なつもりで生活してきたので、目先の手術への漠然とした不安感は拭えませんが、病院の先生に「もし子宮筋腫の存在に気づかないまま妊娠していたら出産は大変だったかもしれないよ」と言われたこともあり、私は20代のいま身をもって実感できたことに間違いはなかったと思っています。
この経験はnoteを始めたきっかけでもあります。
女性特有の病気はどの世代でも起こりうるものである一方、私のように無関係だと楽観視してしまう人も少なくないと思います。
今まで気にしてこなかった女性や、男性はパートナーや今後現れる相手のためにも、少しでも知っていただけたらと思います。
日が近づくと不安の形も変わっていくかと思いますが、とりあえず今は手術を乗り越えてお腹も引っ込んだ自分を想像しながら、日々を送っていきます。
ご閲覧いただき、ありがとうございました。
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