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「一番好きな映画」という質問の難しさ

初対面の話題だったり、映画を観るのが好きという発言に対して、「一番好きな映画って何?」と聞かれること、少なくないですよね。
つい最近もこれを言われ、困りました。自分の年齢や環境とともに好きな映画も変化してゆくし、一作だけ伝えて「こういう趣味ね」って判断されるのも嫌だし…
何せ、映画好きのみなさん!一作だけ選ぶって難しいですよね?!

そこで思いついた策。“最近観た映画”をいくつか紹介すれば、相手は「あ〜なんなくこんな映画が好きなのだな」とわかるのかな?ということ。(もしくは、どれも知らなければその話題をあきらめてくれるだろう…)
特にわたしは映画が好き、と言ってもミニシアター系の映画が好きで、シネコンでやっている映画はほとんど知らないタイプです。マーベルとか観たことないんですよね…

さて、わたしが帰国後2024年2月〜5月本日の間に観にいった映画をざっくり紹介します!感じ方は人それぞれ。何か思うことがあったら、よければお聞かせくださいませ。
(※都市部ではかなり前に上映が終わっている映画が多いと思います)


「枯れ葉」

現代とは思えない、相変わらずのアキ・カウリスマキ旋風。
カウリスマキはこの戦争をどう捉えているか、あれは作為的なカラーなのか、など一緒に観にいった友人としばし考えていました。ひとり映画が多いですが、趣味の合う友人と観にいき、こうやって考察できるのも楽しい。



「PERFECT DAYS」

こちらも時代が止まったようではありましたが、彼の生き方には清々しさがありました。今リバイバルとして流行っているものが話中に数多く描かれていましたが、他者の目線抜きで、自分の好きなものを愛し続けている潔さ。
実はわたしもよく木漏れ日を撮るので、ちょっと親近感が湧きました。笑



「君たちはどう生きるか」

公開当時カナダにいて観られなかったので、今更。難解ではありますが、パズルのように解いていくというよりは、心でじっくり咀嚼していく映画だなと。個人的には割とおもしろかったです。
世界の層はクレストマンシーシリーズを思い出しました。鳥こわい。



「カラフルな魔女」

映像の質が低かったり(カメラマンではなくてディレクターが撮ってるようなシーンが多い)、ここいるのかな〜というシーンもちょいちょいありましたが、それでも角野さんの素敵さは伝わりました。
角野さんの創作ノートがとっても楽しそうで、「楽しい落書きのようなノートでいいのね。いいな、わたしもやりたい!」と自由さに影響を受けたりも。

わたしは今モーニングページは書き切って捨てているのですが、アイデアをためる創作ノートは同じサイズのものをずっと使うの、絶対真似します…!



「悪は存在しない」

時間ができたので急遽観にいったのですが、石橋英子さんの音楽と仄暗い自然の映像が美しかった…そしてこの秀逸なタイトル!特に後半、何度も「なるほどな」と納得しました。(が、コンサルだけは悪人部分しか見えず…)
ただラストが衝撃的で、これは人と観にいって解釈を語り合いたかったな。

映画そのものには関係ないのですが、舞台が東京に移った瞬間気持ち悪くなって、再びビル群の中では生きていけなさそう…と感じました。カナダに住んで、自分の求めていることが少しずつわかってきた気がします。



「食べることは生きること~アリス・ウォータースのおいしい革命~」

食の活動をされている中でも好きな方のひとり、Alice Waters。すでに理解していることでも、彼女の口からゆっくり丁寧に語られることで、「今を生きているわたしができること、するべきこと」は何なのか考える映画でした。わたし自身は、彼女の持つgenerosityとtaughこそが現代の我々には必要かも、と思いました。例えば、「お金がなくてオーガニック野菜なんか買えない」のなら、ただ政府が、会社が、と他責になるのではなく、「なぜ買えないのか・お金がないのか」について考え、そして行動する中でgenerosityとtaughが必要になってくると思うのです。

大学院時代、研究の一環を兼ねてお邪魔した他郷阿部家さんの変わらぬ美しい佇まいにもホッとしました。(「デザイン思考で暮らしを持続可能にしていく」といった研究を2012年ごろしておりました。)

↑各地で上映会されてますよ〜!



今後観たいのはこちら。

「リンダはチキンがたべたい!」

日本のアニメ映画はジブリ以外今あまり観ないのですが、ヨーロッパのものは結構好きで観ています。これもなかなかおもしろそう!
大学〜大学院の頃チェコアニメやクレイ、コマ撮りアニメ、大好きでした。



ちなみに、帰国する時に飛行機で観ていた映画はこれ。

「青いパパイヤの香り」

大学の時に観たきりでしたが、ベトナムからの帰国だったのもあり鑑賞。フライトの関係で最後まで観れずでしたが、少しだけその国の文化をかじった後だったので、生温い気温を思いながら、映像を隅々までうっとりと楽しめました。ベトナム語の音の響きもまた素敵。


以上、わたしの「一番好きな映画」対策、「最近観た映画」でした。




蛇足ですが…
長らく冬眠(春眠?)しておりましたが、就業先が決まりました。
都市部に近くなるので、もっと色々映画が気軽に観れると思います。今はストリーミングの時代ですが、映画館で上映される映画はわたしが大切にしたい文化のひとつ。特に、素敵な作品を上映してくれるミニシアターの存続のためにも、微力ながら足を運び続けようと思います。





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