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多分、恋のはなし

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恋やときめきの話。
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#エッセイ

好きだったこと、好きになれたこと。

忘れたくないなあ、と思う。

窓から見えた、夕方の空にかかった虹。

知らないまちで、夜のお散歩。

わたしの好きな曲に、好きかもしれないと思う曲をこっそり混ぜたプレイリスト。

エビフライのしっぽは食べる派なんだね、みたいなどうでもいいこと。

人との会話をこんなにも鮮明に覚えていたことってあっただろうか。それも結局は、たくさんした会話のほんの一部なんだけど。

「いい時間の使い方だね」なんて言

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これが運命じゃなくても

これが運命じゃなくても

「運命かも、」

何かに出会うたびに、何度もそう思う。

これは私にとって、ある種のおまじないみたいなものなのかもしれない。

たとえば、何の変哲もない真っ白なブラウスを買ったとしても、こんなふうに考えるだけでそのブラウスは私にとって特別な一枚になる。これをなんども繰り返して、私はたくさんの特別を味方につけて無敵になった気持ちだった。

運命には、「なんかいいな」が付き物だ。

明確に、何がどう良

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あなたと音楽の話を

あなたと音楽の話を

「今日ずっと、選曲がすごくよかった」

"言われて嬉しい言葉" といわれて
パッと思いつくものって、
たとえば可愛いとか優しいとか。

そういう類の褒め言葉。

これは褒め言葉とは違うんだけど、
そのどれよりも嬉しいでいっぱいになった。

一緒に聴いた曲には、

彼に教えてもらった曲も、
わたしが毎日聴くお気に入りも、

いろいろが詰まっていた。

どれの、どの、
どこからどこまでをそう言ってくれ

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夢を見るならきみとがいい

夢を見るならきみとがいい

"片想いって一人で見る夢でしょ? "

そうかもしれない。

すごくふわふわした、
掴みどころのない夢を見ていたのかも。

だとしたらどこからどこまでが夢だったのかな。

「自分の気持ちに正直に」って言い聞かせて。

それ以外のいろんな不安とかモヤモヤを
なんとか見ないふりして。

やっとのことで一歩踏み出して、
ちょっと、幸せになれて。

特別な日を過ごせて。

頭に浮かぶことが増えた。

知っ

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ここから、ドラマが始まる

ここから、ドラマが始まる

「レモン、かけました?」

多分その瞬間のわたしは、
5秒前のわたしよりも
目をすこし大きく開いていたと思う。

びっくりしてしまって。

このひとことに、なぜか、
どうしようもなくときめいてしまって。

今でもたまに頭に浮かぶ。
何回も見たお気に入りのドラマみたいに。

この言葉、そして、"レモン"というワードで
ドラマ「カルテット」を思い浮かべた人は、
わたしと同じ側の人間かもしれない。

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