見出し画像

夢を見るならきみとがいい







"片想いって一人で見る夢でしょ? "





そうかもしれない。

すごくふわふわした、
掴みどころのない夢を見ていたのかも。


だとしたらどこからどこまでが夢だったのかな。



「自分の気持ちに正直に」って言い聞かせて。

それ以外のいろんな不安とかモヤモヤを
なんとか見ないふりして。


やっとのことで一歩踏み出して、
ちょっと、幸せになれて。

特別な日を過ごせて。

頭に浮かぶことが増えた。

知ってることも増えた。

おいしいものを見ると、
一緒に食べたいなと思うようになった。

わ、月綺麗、
って思って連絡したくなったけど、
なんか告白ぽくてやめたり。




そういう世界に足を踏み込むまでの間も
夢ばかり見ていたかもしれないけど、

もっと現実みたいな、手が届きそうな、
そんな夢を見るようになってしまった。




だって、顔を上げたらそこで笑ってるとか。

隣にいて、一緒に同じとこに向かってるとか。


今度はここに行きたいな、って考えるとか。



そんなのって、考えられなかったから。





だけどふと思うことがある。


わたしがこれから何事もなく、
何もなかったときみたいに過ごしたとしたら?



そうしたら、
なかったことになるのかなあ。





告白なんてしていないから、
向こうからしたらきっと。


あれ?


って。

そういう。それだけの。




そうやって薄まって、

デートってまだ呼んだことのない、
デートだと思いたい時間のこと、

ただの記憶みたいになっていくのかなあ。



そういえば好きだった気がするな、って。

けどあれは恋に恋してたのかも、とか。


ふわふわした感じに戻っていくのかな。



わたし次第なんだろうな。



もちろん、何かしたから絶対に叶うとかそういうのじゃない。

世間で言う脈なしも脈アリも、どっちもある。

だけどそんなのどうでもよくて。






なかったことに、

したくないなあ。



質問するでもされるでもなく、
ただひとりごとみたいに話してくれたこと。


わたしがフツーにしてることを
すごいって言ってくれたこと。


この人といるときのわたしは
子どもみたいだなって思ったこと。





好きになったところ。

わたしが見つけた好きなところ。

好きな自分でいられること。




全部なかったことにしたくない。






なんてことないことが幸せで
浮かれてスキップしたくなった帰り道。


"!"がついてるだけで嬉しくなること。


わたしのワガママに付き合ってくれたこと。


デートみたいな、時間。



ぜんぶ、ぜんぶ。






好きなひとがいて、
そのひとと過ごすことができて、
いい思い出になったなあ、

とかじゃなくて

実はあのときもう好きだったんだよ、

とか。


そんな風に二人話せる日がくるといいな。




今はただ、こんなふうに思ってる。


この記事が参加している募集