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いま、人気の間取りの工夫

間取り決めは生活の質に大きく左右します。間取りを適当に決めてしまうと、とても生活しにくい間取りになるでしょう。いま流行りの間取りを取り入れることで、時代にあった暮らしやすい家にすることがきます。昨年はコロナの影響を受け、生活の変化により流行の間取りも大きく変化しました。今ではコロナの制限も緩和され、外出や来客にも対応できる間取りになりそうです。こんな時代背景の中で、どのような間取りが流行るのでしょうか?

ファミリークローゼット隣接のランドリールーム

間取りを決めるうえで、家事をどれだけ楽にできるかは今重要なポイントです。
家事を楽にするうえで、いま流行っているのはファミリークローゼット(FCL)隣接のランドリールームです。部屋を隣接することで「洗う→干す→畳む→しまう」までの動線が短くなるので家事効率が大きくあがります。
一連の洗濯時間が短縮できるので取り入れてみましょう。

室内干しスペース

現在共働きの家庭が増えています。
室内干しできる部屋があると外出していても安心です。
また、季節や天候や花粉などの状況に左右されずに洗濯物が干せることが、大きなメリットです。
室内干しによくある悩みには「なかなか乾かない」「洗濯物に生乾きのニオイが!」「乾かしているお部屋がジメジメする」などがあります。
夜干しでも、換気扇と部屋干しファンがあれば昼間で8時間、夜間でも14時間で乾燥レベルまで達します。つまり、夜に洗濯して部屋干しをしても、換気扇と除湿器を使えば翌朝までに乾きます。夜
「洗う→干す→畳む→しまう」この動線が作れると、とても家事がしやすくなるので検討してみてください。

書斎(ワークスペース)がある間取り

自宅にいても仕事が集中している書斎が流行っています。
設計にあたっては、家族構成が変わる可能性をふまえて書斎を一室構えるのか、部屋の空きスペースに設置するのか、検討してみましょう。
一室を書斎にする場合は、レイアウトの変更が可能な仕様にするか、備え付けにするかも考慮に入れておくと使いやすい部屋になります。
設置するデスクのサイズ感は作業効率を左右するポイントになります。奥行きは40㎝以上を目安にしましょう。
デスクを壁付けするか、壁から離して置くかでも書斎スペースの作り方が変わります。

壁付けならスペースを有効活用でき、リビングやダイニングの一区画に書斎をもうける場合におすすめです。スペースに余裕があるなら、壁から離して置くことで圧迫感がなく集中しやすい場合もあります。好きなインテリアを置いて、自分好みの部屋を演出してみましょう。また、色の効果を取り入れるのもおすすめです。緑は癒やし効果があり、青は落ち着きや集中力を高めてくれます。赤やオレンジといった明るい色は集中力向上やパワーアップに良いとされています。

土間収納兼シューズクローク

コロナによる制限の緩和により外出の増加でアウトドア用の荷物が増えました。
外の物をしまう部屋が欲しくなり外のものをしまえる土間収納が良く取り入れられています。
その中でも土間収納に加えシューズクローゼットと併用している間取りが流行っています。
玄関が靴で散らからず、外のモノもしまえるのでおすすめですです。

インナー(ビルトイン)ガレージ

「雨の日に子供を抱っこして傘をさして移動」「雨のなか荷物を何往復も運ぶ」…こんなことはめんどくさいですよね。そこで雨の日でもぬれずに家に入れるインナーガレージの人気が増えています。子供がいる家庭は特にうれしい間取りになります。
またインナーガレージを取り入れると直射日光を防げるので、車が熱くなりにくいです。
また趣味の空間としたり、親しい仲間とのコミュケーションのスペースにも。

対面式キッチン・横並びダイニングテーブル

対面式キッチンは過去から見てもずっと人気です。
料理をしながらでも子供の様子を見ることができるのが大きなメリットになります。
キッチンの間取りで迷ったら、対面式キッチンにしておけば間違いないでしょう。
最近はコンロ・キッチン・ダイニングテーブルを一直線に並べたレイアウトも人気です。
さらに、キッチンの近くにパントリーをつくるとより使いやすくなります。

キッチンの背面収納

家事スタイルにぴったりの背面収納があると、家事効率は格段にアップします。
しかし、コロナも緩和され友人や知人を招く機会が増えてきました。
対面キッチンでは、背面収納がリビングから丸見えに。
「見せる収納」なら、おしゃれな調理家電やお気に入りのキッチン雑貨を飾り、こだわりのインテリアを演出できます。
必要なものをワンアクションで取り出せるのもメリットです。
「隠す収納」は生活感を隠し、すっきりしたキッチンを保てます。
片づけが苦手な方におすすめです。
特にキッチンがあまり広くない場合、扉の種類も使い勝手を大きく左右します。
小さなお子さんがいるご家庭では、「指を挟まないか?」「チャイルドロックが設置できるか?」などの安全性も考慮しましょう。
開き扉
観音開きになるので、引き出しには入らないような背の高いものや、重いものを収納する際に便利です。
開けっ放しにすると邪魔になるので、高所などあまり使用頻度が少ない場所に向いています。
引き戸
引き戸を閉めることで、すっきり隠すことができます(写真)。開けっ放しでも邪魔にならないのがメリットです。
狭いキッチンや、よく使う食器の収納などに向いています。

リビング階段

リビングに階段を置く間取りは今流行のプランです。
リビング階段のメリットは「広々としたリビング空間」「コミュニケーションが増える」ことが挙げられます。
何故コミュニケーションが増えるかというと帰ってきた人と必ず顔を見ることができるからです。
階段がリビングを通らないと、子供がそのまま部屋に行ってしまったりしてコミュニケーションがとれません。
なお、建物全体の断熱性能を高め、アクアレイヤー(蓄熱床暖房)などで上下温度差のない快適空間が得られることが前提条件です。

子供部屋に壁をつくらない~心の成長につながる間取りとは

子供が小さいうちは壁を作らずに成長にあわせて後で区切るという方法があります。
子供部屋を広く使える、家を建てる時の費用を抑えることができる、などのメリットもあり、おすすめです。
また、現代では家に自分の居場所があることに確信が持てない、つまり「テリトリー形成力」が未発達のままの子供が増えています。
子供だけでなく、家族一人ひとりの居場所がしっかりあること、そしてそれがバラバラではなく有機的に結びついていること、それが家族が育つ理想の家です。
人は自分のテリトリー(居場所)を確保してから次に他人との関係を自覚し、思いやることができるようになります。このような心の成長を助ける間取りの工夫が必要です。

例えば、子供が成長すると、一般的には左図上のように6畳の部屋2つに仕切ってしまうのですが、下図のようなプランです。
片方の6畳を2つに分けて、3畳を2つ。ここにそれぞれベッドと机を置きます。
そうすると、6畳がひとつ空きます。ここを兄弟の共通の居間(キッズリビング)にします。そうすると、ここで兄弟のかかわりができるのです。
ひとりの子どもが使う面積は3畳と6畳を合わせて9畳になります。6畳ふた間の12畳が9畳プラス9畳=18畳に使えるわけです。
キッズリビングは居間の延長でもありますから、居間とダブルで計算すると、さらに多くのスペースを使うことになります。
このように、いきなりドアのある個室を与えて家族から分離するのではなく、ゆるやかであいまいな間仕切りを工夫することで、徐々にテリトリー意識やプライバシー感覚の発達をうながすようにします。
そして、家族が集まってくる「気持ちのいい空間=リビング」づくりの工夫も重要です。

コンパクトで住みやすい家


ここ数年で人気が出てきた「平屋」は、住みやすくて建築面積を抑えられることで人気があります。
機能性や個性的なデザインが注目を集め、若い世代を中心に平屋のブームが続いています。
地震に強い
平屋の大きな特徴として、地震に強いことが挙げられます。平屋は高さが抑えられる分、そもそも揺れが小さく収まりやすく、地震だけでなく強風などの影響も受けにくい構造です。
老後の暮らしを見据えたニーズの高まり
階段が必要ない構造であるため、老後を迎えてからも不便に感じられにくく、生活動線を効率的にまとめられるのがメリットです。また、そもそも少子化の影響で、従来ほど広い居住面積を必要としない世帯も増えています。
平屋のトレンドデザイン
「差し掛け屋根を取り入れたシンプルモダンな平屋」…平屋はシンプルでモダンな外観との相性が抜群であり、最近では屋根にこだわりを取り入れ、個性を演出するケースが増えています。段違い屋根と呼ばれる、2枚の屋根を段差をつけて取り付け、非対称にするのが特徴です。

「中庭が魅力のロの字・コの字形設計」…平屋は構造的な安定度が高いことから、ロの字形やコの字形といった特殊な形状も比較的に実現しやすいといえます。ロの字形やコの字形の場合、中庭を設けられるため、住宅の全方向から光が取り込めるようになります。「勾配天井と見せ梁」平屋は天井高を確保しやすく、空間を広くとれるのも特徴を生かせるのが、高さをつけた勾配天井です。中2階を設けてセカンドリビングにするなど、さまざまなアイデアを取り入れることもできます。天井を板張りで仕上げたり、梁を見せることで、デザイン性がワンランクアップします。

可変性のある間取り

「可変性のある間取り」とは、家族構成やライフステージの変化によって、住まい方を変えることができる間取りのことです。
結婚、出産、子育て、子どもの独立、親との同居、仕事のリタイアなど、その変化に伴い家族構成や生活スタイルなどもおおよそ10年ごとに大きな変化が訪れると言われています。
変化に合わせて空間の使い方を変えることが可能な間取りのチェックポイントは以下の2点です。
・引き戸を多用する
・間取り変更リフォームがしやすい仕様にする
引き戸を多用した間取りなら、間取り変更リフォームをしなくてもその時々のライフスタイルに合わせた暮らしがしやすくなるでしょう。
一方、長く住んでいるうちに、例えば水まわりの位置を変えたいといった、大きく間取りを変えるリフォームをしたいと思うこともあるでしょう。そのような時に対応できるよう、設計段階で仕様を工夫しておきしょう。
 

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