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情報を誠実に伝えることの大切さを考える。

なんだか、今日1日SNSでカメラ界隈が湧いております。

なにがあったかというと、最近発表された某メーカーの新商品(カメラ)の商品説明のページに使われている写真が、自社で撮影したものではなく、ストックフォトに登録されている写真だと。

「え、そんなことがあるの?!」と、写真を撮っている身として驚きました。

新しく出たカメラの説明してるページなのに、なんで自社の写真じゃないねん。

厳密にいうと、ストックフォトの写真が掲載されているのは「作例紹介」のページではなく「製品特長」のページ。
加えて、「画像・イラストは効果を説明するためのイメージです」の添え書きもあります。

いやいや、そういう問題じゃないでしょ……と、今カメラ界隈が沸いております。

私のスタンスとして、普段はこういうゴシップ(?)的な内容にはSNSなどでの言及を控えているのですが、今回のカメラの件に限らず、普段ライターとして情報発信を生業としている中で、なんだか思うことがあったので、これを機にnoteにしたためておきます。

■誤解を与える表現をしてはいけない

至極当たり前のことなのですが、見た人が誤解をするような情報の与え方は絶対によくない。

もしかしたら、今回のカメラの件だって「自社のカメラでスタッフが撮った写真を、ストックフォトに登録したんです。そしてその写真を、自社サイトにも使用したんです!」って線もあるかもな〜〜と思ったんです。(いや、時系列的にも有り得ないんだけれども。笑)

ただ、仮にそうだったとしても、見ている人にはそうは伝わらない。

カメラメーカーが新商品を発表して、「うちのカメラはこんなことできまっせ!」の文言とともに写真を載せたら、誰がどう考えたって「この新商品カメラなら、こんな写真が撮れるんだ!」と思うはずです。そんなの、考えなくても分かるレベルのことです。

見た人に誤解を与える……オブラートに包まずにいうと、見た人を「騙す」ような情報の与え方は、絶対にあってはいけないことですよね。

「悪気はない」とか「添え書きはしている」とか、そういう問題ではないです。


■見る人が見たら分かる嘘をつかない

今回の件は「嘘」とはちょっと違いますが、ライターとしてさまざまな案件に関わるようになり、メディアというものは、作り手側と受け手側によって、見えている景色がずいぶん違うものだと思い知る機会が多々ありました。

ライターとして記事を納品すると、「ここは表現を〇〇と変えてください」と編集・修正依頼が入ることがあります。

私は基本的に仕事で書く記事に「自分らしさ」を乗せるこだわりはないので、基本的には指示に従いますが、稀に「それはできません」と抵抗することがあります。

それは、その伝え方だと“嘘”に繋がる可能性があるときです。

特に記名記事の場合、私の普段の言動やSNSでの発言と記事の中での表現に矛盾があると、すぐバレます。

「あれ、みきてぃ、SNSではこういってるのにな……?」
「普段会って話してることと記事に書いてること、違くない?」

そんなふうに、見る人が見ればすぐ嘘だと分かります。
嘘のつもりがなく、記事用の調整のつもりだったとしても「嘘ついてるんだな」と思われてしまったのなら、弁解の余地もなく私は嘘つきになるわけで。

引きが強い言葉とか、「この方が共感を得られそう」とか色々あるけど、嘘はついてはいけないんですよね。


■そこに関わった人たちを欺くことをしない

メディアを見る人だけでなく、製品開発をした人、PRに協力してくれたインフルエンサーなど、そこに関わった人たちを欺くようなことは、絶対にしてはいけないですよね。

今回のカメラの件だって、名だたるインフルエンサーやカメラマンさんたちがPRに協力しています。

もちろん、こんなことになるなんてつゆも知らず「いい製品だよ!」って伝えたくて協力しているはずです。

今回の一件で、開発者やインフルエンサーたちにまで苦言が飛び火する可能性もないとは言い切れないし、なによりショックだと思うんです。

「せっかく、いい製品だと思っていたのに」って。

最近、私も商品のPRをやらせていただく機会がありますが、もし自信を持って「おすすめしたい!」と思っていた商品だったとしても、その会社が不誠実な発信をして炎上していたら悲しくなるし、今後どう応援していくべきか戸惑ってしまうと思います。

今回だって、製品自体はすごくいいものだと思うんです。
実際、私もちょっと気になっていたし。

でも「ああ、そういう会社なのか……」と感じたとたんに興味が持てなくなったし、一生懸命カメラを作った開発者さんたちが気の毒だな、とさえ感じてしまいました。

今回ストックフォトから出典した写真が計何枚なのかまでは私は調べていないのですが、数枚の写真や、そこに添えたたったひと言で、周りの多くの人に影響があるということを、いつでも意識していないといけないと感じます。


■プライドや誠実さを忘れてはいけない

今回の件で気になったのが「そもそも、なぜ自社で写真を撮らなかったのか?」ということ。

カメラマンを手配できなかった(作例ページにはカメラマンの名前が載ってるので、それはないと思うけど)、商品開発とWebページの作成スケジュールに問題があった……など色々と推測はできます。

でも、要は最終的に「まあ、いっか」って判断になったっことだと、私は解釈しました。
「作例ページじゃないし、まあいっか」って。

テレビでもWebメディアでも同じ素材を使い回すのなんてよくあることだし、スケジュールもタイトなことが多いし「撮ったことにする」「やったことにする」って、多分珍しいことじゃないんだと思います。

けど、そこはやっぱり、メーカーとしてのプライドを持つべきだと思うんです。

うちの新商品すごいんすよ。めちゃくちゃいいんすよ。ほかとは比べものにならないくらいいいんすよ!!!って、全ページに貼りすぎなくらい自社の写真貼りまくって見せつけてほしかった。

そのくらい、自信を見せてほしいものです。
だって、確実にモノはいいはずなんだから。

プライドを持つことって、誠実さを示すこととよく似ていると感じます。

「うちは、ほかとは違います。だからこそ、あなたをハッピーにできます」といえるのが、プライドであり誠実さなのではないでしょうか。


■情報は誠実に発信するべき

正直、このnoteを書くかちょっと迷いましたが、自戒も込めて書いてみました。

偉そうにつらつら書いた私だって、仕事の記事ではそれなりに気をつけているけど、SNSに気軽に書き込むときは深く考えずにポイって発言してことも多いです。

個人のnoteやSNSくらいは固くならずに楽しみたいけど「でもこれ、見た人勘違いしない?」って意識を、頭の片隅に持っておかねば。

そんなふうに感じました。

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