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「Z世代の取扱説明書」白附みくる

 本書『わたしが見てきた Z世代』は、世代間のギャップを埋めるための実践的な指南書です。特に、40代以上の経営者がZ世代の力をどのように活用すべきかについて具体的なアドバイスを提供しています。

まず、序章では著者が受けた経営者からの教えが紹介されます。経営者は「我々40代以上の人では、どうがんばってもSNSネイティブ世代には適わない」と述べ、若い人たちの意見を取り入れる重要性を強調します。この導入部分で、読者に対して時代の変化に対応するための心構えが説かれます。

 続いて、著者は具体的な例を挙げながら、若い世代から学ぶことの重要性を力説します。若年層の意見を無視する中小企業は廃れてしまう可能性があるとし、逆に、若手の意見を取り入れることで得られる相乗効果について語ります。著者は、マーケティングやビジネスにおける新しい発想は経験値や場数に勝ることは難しいとしながらも、若年層の新しい視点が組み合わさることで新しい価値が生まれると主張します。

 転じて、著者はZ世代の立場から見た現状について触れます。SNSやネットリテラシーに関しては自信があるが、経験や知恵においては上の世代に適わないと謙虚に認めます。ここでは、世代を超えて協力し合うことの重要性が再度強調され、若い世代と年長者が互いに学び合う関係の構築が求められています。

 最後に、結論として、著者は多様な世代が協力し合うことでより良いものが生まれると断言します。特に、日本の未来をより良くするためには、世代を超えて意見を尊重し合うことが必要だと強調します。著者は、読者にZ世代の実態を知ってもらい、理解を深めることで世代間の壁を乗り越え、新しい時代を共に切り開いていくことを呼びかけます。

 本書は、Z世代の実態を理解し、世代間の協力を推進するための貴重なガイドブックです。若年層と年長者が互いに尊重し合い、協力していくことの大切さを再認識させられる一冊です。


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