台湾生活と環境問題。
台湾への旅、大型スーパーカルフールでの1コマ。「あぁまた袋もらうの忘れた。。。」「俺も、、、もらお」こんな会話はもう台湾でできないかも。
アジア地域のプラスチック問題は深刻化しています。
とりわけニュース報道で流れてくるのは海洋へのプラスチック/マイクロプラスチック流出。私にとって勝手に第二の故郷だと思っている台湾でもそれは同じ。
台湾清浄海洋行動連盟が2017年9~10月に行った海洋廃棄物に関する調査によると、台湾海域で最も多かったごみは「ペットボトル」「その蓋」「ストロー」などが生態系に及ぼす悪影響が問題視されています。
今回は私がこれまでの台湾生活で感じたことも踏まえ、台湾におけるプラスチックなどを巡る環境問題とそれに対する取り組みをまとめていきたいと思います。
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政策あれこれ。
・2030計画
→台湾行政院環境保護署(EPA)の工程表によると、使い捨てのストロー、レジ袋、食器、コップの利用について消費者の追加料金支払いを2025年に義務化し、その5年後に使い捨てプラスチック製品を全面禁止する。(AFP通信)
2020年から5年刻みで進むこの計画、今年2020年の段階では、
①レジ袋使用制限の拡大
②飲食業者内で取り扱う飲料に対して使い捨てプラ製ストローの提供禁止
③現行で使用が制限されている業者は、消費者が店内で飲食する際、使い捨てプラ製食器の提供禁止
④タンブラーなど飲料容器を持参した消費者に対して優遇サービスを強化
価格引き上げにより数量を制限
の4つが掲げられています。
・(資源)四合一制度
→製品・容器の製造業者や販売業者、それら輸入業者が「回収基金」を支出し、一般消費者、回収商、市町村の地方清潔隊などリサイクルに関わる者に基金を還元する仕組み。
台南で生活してた時は日本にもある回収車の他、資源は家の前に置いとくと回収商のおば/おじちゃんがもってってくれてた。"商"ってだけあってそれで生活している人もいるんだって。
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コンビニや店でのプラスチック噺。**
台湾のコンビニでは通常レジ袋はもらえません。2018年元日から行政院の取り決めによってコンビニを始め、スーパーやファストフード店などを含めレジ袋の無料提供は禁止になりました。(市場など一部のところはまだピンク色のレジ袋使ってるけど)
私は2017年の夏から毎年台湾に訪れているけど、恥ずかしながら毎度毎度
マイバックを持たずにカルフールに出かけ、結果的に手いっぱいに食べ物やら生活に必要なものを持ってホステルへ戻るってのをやってる。。。
(ここ1年で可愛いマイバッグを結構いただいたので次こそ!)
現地の人はというと、IKEAやカルフールオリジナルの大きいバッグを肩に背負っている人が多くみられました。
有名タピオカチェーン「50嵐」も同様レジ袋は1枚1元(約4円)。加えて、台湾に住む人にとってドリンクスタンドはマストなのでドリンクホルダーを持つのが当たり前になってます。
最近ではストローレスのドリンクボトルも開発、販売してたり(中には大学生考案のボトルもあったりする!)プラスチックなしでタピオカを買うのが当たり前になる日が近づいているよう。
なお一部のスーパーなどでは有料購入できるレジ袋をそのまま指定のゴミ回収袋として転用できるようになってます。
その他にも屋台や飲食店での使い捨て皿や容器を少しずつ何回も使えるものへ変える動きがあったり、ドリンクスタンドのストローを使わないための竹/ステンレスストローが使われていたり、最近では寧夏夜市がプラスチックフリー夜市として注目されるなど前向きな取り組みが目立ってきてます。
最近無印良品の給水機が日本では話題になっていたけど、台湾の空港や公共施設、スーパーなどでも至る所に給水機がみられます。
台南へ向かう電車の中にも給水機があって着くまでがぶがぶ飲んでたなぁ。
日本企業のコンビニなのに日本より進んでることばっかり。去年行った時7-11は紙ストローを出してた。バナナ1本1本包装する日本のコンビニ、どうよ…?笑
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教育と課題
台湾では、2010年に環境教育法が公布され、翌年11年6月から実施に移されました。特色としては、政府部門、公的団体、学校等の組織に年4時間の環境教育が義務付けられ、また、環境教育の認証制度が設けられるなど、環境教育の普及に向けた措置が積極的に導入されている点にあります。
他にもグリーンスクールやカリキュラムに環境に関する内容を盛り込んだ学習などの甲斐もあってか、台湾苗栗県で9校の小学生258人を対象としたあるアンケートではゴミ・リサイクルへの関心が94.4%と高い関心を持っている他、街の騒音問題(85.8%)、地球温暖化 (80.8)などが次いでいます。
(Friday For Futureの活動や高校生の環境問題に関する演劇などの動画🕊)
台北市内にも多くあるシェアサイクルは学生の利用が顕著にみられ(台北大のキャンパス内にもあった)、バイクなどに変わることで大気汚染の排出を減らしています。この大気汚染/エネルギー、実は台湾が抱える環境問題の大きな課題の1つ。
冒頭にあげた2030年計画にもこの課題解決に向けた取り組みは記載されており、プラ問題、海洋問題と同様に台湾が取り組むものとなっています。
他の環境活動
大学生が考案したボトル「FLOAT」は本当におすすめだし私も次の渡台で購入できればしたいと思いつつ、その他にも台湾では環境に関する取り組みがあちらこちらでみられ始めてる。
海廢圖鑑(意=海洋ゴミ図鑑)は文字通り海洋ゴミを図鑑さながらに展示しているもの。台湾の環境保護団体「RE-THINK」(=社団法人台湾重新思考環境教育協会)と簡訊設計公司(=Simple info)が手掛けたWEBサイト。
ゲームのようにHPや出身、素材などが書かれてるところも面白い。真面目に取り組むのも素晴らしいけど、こんな方法で発信することで小さな子や家族などでも見ることができて私は好き。
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さいごに
台湾は同性婚合法化や各地でのプライドパレードなどジェンダーに関して進んでいるイメージですが、環境問題に関しても国全体で取り組んでいるのが調べていて知ることができました。
面白かったのは十份で飛ばせる天燈。毎日観光客がバンバン飛ばしてたけどあれどこ行ってんだろうと思ったら、地元の人が拾って回収業者の人に買い取ってもらってたり、最近では骨組みも含め全て紙でできた天燈もできたみたい。調べてた中ではトレッキングツアーの中に天燈回収ってのが含まれてたりするってのも面白かったです。
私が最後に台湾へ行ったのは去年の夏。それから台湾はプラに関する大規模な取り組みを行ったとあって、次の渡台が楽しみです😌
参考URL
・JETRO(日本貿易振興機構)
・一般社団法人「JEAN」記事
・一般社団法人プラスチック循環利用協会 プラスチック情報局
・台湾のリサイクル事情 TAIWAN LABO
・台湾における児童・生徒の環境意識-苗栗県におけるケーススタディ-
許 容瑜・伊藤 雅一・岡村 聖(2019)
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